レポート
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国際情勢アップデート, 米国, 日米関係, 欧州, シンクタンク, コメンタリー
ミュンヘン安全保障会議が示す「新秩序」の論理:モジュール化、包括防衛、AI台頭を補助線として
米国の第2次トランプ政権による高関税措置や国際機関からの脱退、ベネズエラでの軍事作戦によって、国際情勢は緊迫の度合いを増した。第2次世界大戦後、米国が主導してきた国際秩序が揺らぐ中、国際経済・金融の関係者の間では、世界情勢を見極めるための場として、「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」に対する関心が高まっている。「Under Destruction(破壊の最中)」に開催された2026年のMSCを振り返り、「モジュール型の枠組み」、「トータル・ディフェンス」、「AI(人工知能)台頭」という3つの論点を整理したい。3つの論点は、MSC閉幕直後に始まった米国によるイラン軍事攻撃や、今後の国際情勢を分析するための補助線となるだけではなく、日本の政策・企業の戦略を固めるうえでもヒントとなる。
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残業時間の上限規制など働き方改革関連法の施行が始まってから2024年4月に5年を迎える。同法が成立した際、安倍晋三首相(当時)は「70年ぶりの大改革」と評した(※1)。5年という政策的な節目を控え、施行後に起きた変化を振り返ると、コロナ禍によるテレワークの急拡大がまず挙げられるだろう。次の働き方改革のテーマとして、労働者にニーズのあるテレワークを労働法制でどのように位置づけるべきだろうか。テレワークなど柔軟に働くことを勤務先の企業に求める権利を定めている英国や法制化を検討するドイツを参考に考えてみたい。

生成AIの勃興で大規模言語モデル(LLM)の開発に注目が集まっている。多くの企業や研究所が日本語LLMの開発を進め、政府も国内での生成AI開発を促進する方針を打ち出す。日本語LLMの意義は、日本語での精度向上のみにとどまらない。安全保障上の重要性、技術育成とイノベーションの促進、カスタマイズによる企業変革への貢献にも期待できる。

DXブームが沈静化し、関心が低下している一方で、日本企業のDXは遅れている。企業の現場では「DX疲れ」「変革疲れ」が起きている。DXの本質は「変化の速い経営環境に適応するため、デジタルを活用して顧客に価値を提供し続けること」であることを考えれば、DXの重要性は常に高く、多くの企業が継続して能力の維持向上に取り組むべきであろう。持続可能なDXを実現するためには、①デジタルという手段に注力せず目的を明確にする、②経営のコミットメント、③ITベンダーに依存しすぎない、この3点は必要不可欠と考える。

生成AI(Generative AI)を使ったビジネス、業務の効率化が注目されている。民間企業に続いて、自治体や公共団体でAI活用を検討する動きが日本でも広がってきた。生成AI導入で先行する米国マサチューセッツ州ボストン市のガイドラインを取り上げ、行政が関わるAI導入の在り方を提示したい。

日本企業における高度外国人材の活用が進んでいない。政府は長年、積極的な誘致政策を掲げてきたが、企業の受け入れは一部にとどまっている。世界に目を向けると、経済のグローバル化に伴い国籍を問わず高度人材は争奪戦の様相を呈している。日本企業が置かれた情勢を概観し、3つの課題を提示したい。

米国の対中政策がデカップリングからデリスキングへと転換しているとされている中、バイデン政権は、中国への投資を規制する新たな措置を導入することを発表した。米国からの資金が、中国の軍事力強化の資金源になることを避ける狙いがある。米国は同盟国にも同様の措置を導入するよう求めており、欧州連合はすでに検討を始めている。日本政府にも対応が求められる。

グリーントランスフォーメーション(GX)政策に沿った企業連携を促すため、政府は独占禁止法での対応を検討する。一案となるのは、GX目的での企業連携に、独禁法の適用除外を認めるというものだ。一方、このような除外制度を導入した場合、グリーンウォッシュを誘発しないかが懸念される。課題を整理したうえ、どのような対応が必要になるかを提示する。

政府が重要政策に掲げたグリーントランスフォーメーション(GX)を進めるには、企業連携が必要になる。連携時に留意を求められるのが、独占禁止法抵触への対応だ。政府内外には“脱炭素社会”を実現するため、GXに関わる企業の取り組みについては独禁法の適用対象から除外すべきだとの声がある。ただし、適用除外を導入する場合、米国の競争政策との差異や制度の複雑化などがハードルとなるだろう。主な課題を全2回のレポートで整理する。

生成AI(Generative AI)の普及とともに、水面下でAIを悪用する試みが広がっている。その代表例が、AIを用いたサイバー攻撃や犯罪である。悪用を目指す動きはどのようなものなのか。最新のトレンドを紹介し、企業や法人が取るべき対策を整理する。

英国は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP、通称TPP)に初の新規メンバーとして迎え入れられた。企画後編では、英国に続く加入候補国・地域を取り上げ、実現の可能性や日本企業にとってのメリットを整理する。