スタートアップ

日本とアフリカの関係強化を目指す、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が2025年8月20~22日、横浜で開催される。経済成長が続き、豊富な資源を有するアフリカ諸国は今世紀半ば以降、経済・地政学的な影響力を増していく。一方、政治・社会リスクと国際情勢の緊迫、日本政府・企業のリソース面などでの制約から、アフリカに対する開発と投資は容易ではない。国際秩序の大きな変革期を迎える中、日本政府はTICADを基盤とした外交戦略の進化と深化が必要であろう。アフリカ新戦略の策定に向け、3つのポイントを提言したい。

デジタルやサステナビリティ対応の重要性が増し、日本の製造業は多様な技術の組み合わせで価値を創造する必要性に迫られている。国際競争力を再び強化するためには、外部から革新的な技術を取り入れ、オープンイノベーションにより製品ポートフォリオを強化、変革することが肝要である。このような中、オープンイノベーションのパートナーとして、大学の研究成果を活かして起業するディープテックスタートアップへの注目度が高まっている。その活躍分野は、環境、エネルギー、素材、バイオ、量子、宇宙などに拡大しており、国際展開に成功すればユニコーン企業へと成長するポテンシャルも見込まれる。製造業がスタートアップ連携の新手法ベンチャークライアントモデル(VCM)を活用しオープンイノベーションを成功させるためのポイントは何だろうか。ディープテックに造詣が深いMonozukuri Ventures代表の牧野 成将氏とデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)パートナーの木村 将之が、ディープテックの重要性やVCM適用のポテンシャルについて対談を行った。

政府の「スタートアップ育成5か年計画」も追い風になり、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)に取り組む事業会社は増加している。しかし、新規事業創出や新技術獲得という目的の達成には難航しているケースが多い。海外で先行している企業は、経営環境の変化に対応した事業ポートフォリオの再編、最新技術の取り込み、新たな成長事業の確立などに際してスタートアップと連携し、持続的な成長に繋げている。米国の大手テック企業に限らず、伝統的な業種でもこうした成功例が多い。海外との比較を踏まえ、日本企業に、①大胆な規模拡大、②スタートアップとの相互利益獲得、③グローバル化を提言する。これらの戦略が好循環を生むことで、スタートアップとの協業によるオープンイノベーションが加速すると考える。