レポート
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国際情勢アップデート, 米国, 日米関係, 欧州, シンクタンク, コメンタリー
ミュンヘン安全保障会議が示す「新秩序」の論理:モジュール化、包括防衛、AI台頭を補助線として
米国の第2次トランプ政権による高関税措置や国際機関からの脱退、ベネズエラでの軍事作戦によって、国際情勢は緊迫の度合いを増した。第2次世界大戦後、米国が主導してきた国際秩序が揺らぐ中、国際経済・金融の関係者の間では、世界情勢を見極めるための場として、「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」に対する関心が高まっている。「Under Destruction(破壊の最中)」に開催された2026年のMSCを振り返り、「モジュール型の枠組み」、「トータル・ディフェンス」、「AI(人工知能)台頭」という3つの論点を整理したい。3つの論点は、MSC閉幕直後に始まった米国によるイラン軍事攻撃や、今後の国際情勢を分析するための補助線となるだけではなく、日本の政策・企業の戦略を固めるうえでもヒントとなる。
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2023年の骨太の方針で、スタートアップ育成にインパクト投資という手法を積極的に活用する方針が示された。インパクト投資はスタートアップとの相性が良い。それゆえ、金融庁が主導する形で、インパクト投資の促進のための環境整備が進んでいる。インパクト投資への共通理解が形成され、投資人材の厚みが増し、投資コストの削減が進むと、スタートアップ育成の切り札となるだろう。

政府が職務内容を明確にした「ジョブ型」雇用への移行を促そうとしている。ジョブ型は、年齢に関係なく職務を遂行できるスキルを持つ人を登用する。ジョブ型の米国や英国などでは定年を原則的に禁止しており、日本でも定年の見直し議論につながっていく可能性がある。少子高齢化の進行を踏まえれば、意欲のある高齢者の活躍は社会の持続性向上にもつながる。ただ、定年は企業にとって人材の新陳代謝という機能を果たしており、単純な延長や廃止には慎重であるべきだろう。雇用の流動性を確保する政策とセットで検討すべきだと考える。

2023年3月のシリコンバレーバンクの銀行取り付けによる破綻以降、米国を中心に銀行の信用不安が続いている。2023年5月に開催された、G7財務大臣・中央銀行総裁会議などの、最近の国際会議での議論を踏まえると、今回の銀行取り付けについて、国内外で今後何らかの追加の対策が行われる可能性がある。日本においては、SNS・デジタルバンキング時代に則して、これまでのリスク管理や規制監督の常識であった「預金の粘着性」の高さ、つまり預金は流出しにくいという前提を見直す必要がある。

米国と中国の経済面における完全デカップリング(分断)は非現実的だが、こと先端技術分野に関しては競争と分断は激化する一方で、両者一歩も引かない構えを見せている。日本企業にとっても、影響は免れない。

2023年度は、「経済安全保障」の影響が多くの日本企業に波及する元年になる。まずは、ここに至る背景と全体像を俯瞰しておきたい。2回に分けて解説する。

政府は経済・産業のグリーントランスフォーメーション(GX)を重点政策に掲げている。企業にとっては、温室効果ガスの排出削減に向けた新規投資と同時に、排出量の多い既存設備の廃棄が重要な課題となる。該当する重厚長大産業は業界内外の調整が求められる一方、競合会社同士の情報共有では独占禁止法への注意が必要になる。GXの行方を左右する設備の廃棄について、留意すべきポイントを整理したい。

物価の上昇が続くなか、政府が賃金の底上げに力を入れている。経済界や労働団体の代表者が参加した政府主催の「政労使会議」で、岸田文雄首相は最低賃金について「今年は、全国加重平均1000円を達成することを含めて(中略)しっかりと議論いただきたい」と発言した。1000円の達成には過去最高の引き上げが必要になる。全体の底上げに加えて、政府が推進する「ジョブ型」雇用の考えを最低賃金制度に採り入れ、介護士や保育士など低賃金が人手不足の要因となっている問題を解消できないか提案したい。

政府は経済・産業のグリーントランスフォーメーション(GX)を重要戦略に掲げている。公正取引委員会は3月末、GXに関するガイドラインを公表し、どのような企業活動が独占禁止法上に抵触するかを取りまとめた。企業の関心事項とGX推進のためのポイントを整理する。

新しい技術の社会実装や新市場創出に役立つ規制緩和策「規制のサンドボックス制度」が2018年に創設されてから約5年。規制の枠内に収まらないまったく新しい新市場を創設するために、その活用促進が求められる。活用拡大のための3つのポイントを提示する。

政府はスタートアップ企業の創出・育成を重要戦略に掲げ、2023年4月以降、支援策の拡充・新設を行う。その中でも、「オープンイノベーション促進税制」と「スピンオフ税制」は大企業によるスタートアップ買収、大企業からのスタートアップ創出という双方向の流れを促進するものであり、その成果に注目したい。