レポート
Strategy Instituteのレポートを掲載しています。

Research&Analytics

生成AIの勃興で大規模言語モデル(LLM)の開発に注目が集まっている。多くの企業や研究所が日本語LLMの開発を進め、政府も国内での生成AI開発を促進する方針を打ち出す。日本語LLMの意義は、日本語での精度向上のみにとどまらない。安全保障上の重要性、技術育成とイノベーションの促進、カスタマイズによる企業変革への貢献にも期待できる。

DXブームが沈静化し、関心が低下している一方で、日本企業のDXは遅れている。企業の現場では「DX疲れ」「変革疲れ」が起きている。DXの本質は「変化の速い経営環境に適応するため、デジタルを活用して顧客に価値を提供し続けること」であることを考えれば、DXの重要性は常に高く、多くの企業が継続して能力の維持向上に取り組むべきであろう。持続可能なDXを実現するためには、①デジタルという手段に注力せず目的を明確にする、②経営のコミットメント、③ITベンダーに依存しすぎない、この3点は必要不可欠と考える。

生成AI(Generative AI)を使ったビジネス、業務の効率化が注目されている。民間企業に続いて、自治体や公共団体でAI活用を検討する動きが日本でも広がってきた。生成AI導入で先行する米国マサチューセッツ州ボストン市のガイドラインを取り上げ、行政が関わるAI導入の在り方を提示したい。

日本企業における高度外国人材の活用が進んでいない。政府は長年、積極的な誘致政策を掲げてきたが、企業の受け入れは一部にとどまっている。世界に目を向けると、経済のグローバル化に伴い国籍を問わず高度人材は争奪戦の様相を呈している。日本企業が置かれた情勢を概観し、3つの課題を提示したい。

米国の対中政策がデカップリングからデリスキングへと転換しているとされている中、バイデン政権は、中国への投資を規制する新たな措置を導入することを発表した。米国からの資金が、中国の軍事力強化の資金源になることを避ける狙いがある。米国は同盟国にも同様の措置を導入するよう求めており、欧州連合はすでに検討を始めている。日本政府にも対応が求められる。

グリーントランスフォーメーション(GX)政策に沿った企業連携を促すため、政府は独占禁止法での対応を検討する。一案となるのは、GX目的での企業連携に、独禁法の適用除外を認めるというものだ。一方、このような除外制度を導入した場合、グリーンウォッシュを誘発しないかが懸念される。課題を整理したうえ、どのような対応が必要になるかを提示する。

政府が重要政策に掲げたグリーントランスフォーメーション(GX)を進めるには、企業連携が必要になる。連携時に留意を求められるのが、独占禁止法抵触への対応だ。政府内外には“脱炭素社会”を実現するため、GXに関わる企業の取り組みについては独禁法の適用対象から除外すべきだとの声がある。ただし、適用除外を導入する場合、米国の競争政策との差異や制度の複雑化などがハードルとなるだろう。主な課題を全2回のレポートで整理する。

生成AI(Generative AI)の普及とともに、水面下でAIを悪用する試みが広がっている。その代表例が、AIを用いたサイバー攻撃や犯罪である。悪用を目指す動きはどのようなものなのか。最新のトレンドを紹介し、企業や法人が取るべき対策を整理する。

英国は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP、通称TPP)に初の新規メンバーとして迎え入れられた。企画後編では、英国に続く加入候補国・地域を取り上げ、実現の可能性や日本企業にとってのメリットを整理する。

英国がCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、通称TPP)に署名した。経済安全保障が重視される現状で、英国のTPP加入は日本にとって、デジタル政策の推進やルール形成という観点から進展が予想される。国際事業やデジタル領域を手掛ける日本企業は注視が必要である。前編となる本稿では、英国のTPP加入の意義、日本企業にとっての課題を整理する。