レポート
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ESG(環境・社会・ガバナンス)投資が普及するなか、米国の共和党による反ESGの動きが盛り上がっている。2024年11月に実施される米国大統領選挙の争点となり、結果次第ではさらに影響が広がる可能性がある。その特徴を整理したい。

政府や自治体が共通で利用するガバメントクラウドには外資メガクラウドが採択されている。2023年11月初頭時点では、デジタル庁はガバメントクラウドの選定を行っているが、要件が緩和されたことで日本企業が参入しやすくなるとして注目されている。国産クラウドが採択される最大の意義は経済安全保障にあると考察する。国が主権を持つソブリン・クラウドの議論が進められるべきと考える。

2024年大統領選が目前に迫る米国では、AI(人工知能)によって偽の画像、音声、動画を生成する悪意あるディープフェイクによる混乱が懸念されている。既に、連邦および州レベルで規制をかける動きもある。世界が注目する大イベントだけに、選挙に限らず、企業活動におけるAI活用ルールにも影響を及ぼすことが予想される。本稿ではその論点を整理する。

政府の2019年度成長戦略におけるイノベーション政策39項目についてKPI(重要業績評価指標)の達成状況を調査したところ、6割近くがKPIを達成していなかった。KPIの未達が多く見られた政策領域として、政権が推進の旗を振っている三位一体の労働市場改革やスタートアップ育成が挙げられる。成長経済型への「変革期間」と位置づける今後3年において、これらの政策の実効性を高めることが重要になりそうだ。

少子高齢化が進む日本が成長を目指すためには、デジタルを活用した生産性向上が不可欠である。しかし、デジタル人材の圧倒的な不足は深刻な課題となっている。日本では特に、量の不足、技術のミスマッチ、偏在という「三重苦」の状態にある。昨今リスキリングがバズワード化しているが、どの領域でどのような人材を育成すべきか、政策の精度を高めることが求められる。IT企業、ユーザ企業、教育機関、地域それぞれに異なる人材不足の課題と有効な対応策を見直し、社会全体で取り組む必要がある。

日本発の宇宙産業が飛躍できるかどうかは、社会課題の解決を目指す「大企業・政府機関」と、技術・ソリューションを持つ「スタートアップ・大学・研究機関」の協業にかかっている――。そうした確信に基づき、デロイト トーマツ グループが立ち上げた宇宙特化型アクセラレーションプログラムが「GRAVITY Challenge JP」である。共創プロジェクトが次々に誕生し、9月14日には報告会が開催された。その骨子をレポートする。

政府は近く新たな経済対策を決定し、臨時国会に財源の裏付けとなる2023年度補正予算案を提出する予定だ。経済対策をめぐっては与野党から「減税」を主張する声が多くあがった。背景には、長らく安定していた物価が急激に上昇したことで、国民の実生活に影響が広がっていることがある。そこで本稿では、個人所得税制度のインフレ調整という観点からブラケット・クリープへの対応について考察する。所得税制の見直しは消費に影響を与え得るため、企業もその動向には注視を求められそうだ。

2008年秋に起きた米国発の世界金融危機(リーマンショック)から15年が経った。中国経済の存在感が急激に高まった当時、現在とは全く異なる視点から「米国と中国のデカップリング(切り離し)」に対する関心が集まっていたことを取り上げたい。米中デカップリングの意味合いは、金融・経済政策や金融規制同様、15年の間に大きく変わった。こうした用語の移り変わりに着目していくことも、企業戦略にとって重要ではないだろうか。

欧州委員会(EC)は、2023年10月4日、中国から輸入されるバッテリー式電気自動車(BEV)の補助金調査を開始した。ECは、経済安保の見地から貿易・投資などの管理を強化しており、欧州域内の産業基盤強化と国際社会での欧州の競争力向上を目指す。ただし、経済安保を掲げた規制が行き過ぎれば保護主義の弊害を招きかねない。今回の補助金調査のケースから、日本が経済安保施策を考えるうえで、学ぶべきポイントを示したい。

金融機関でしばしば起きるシステム障害は、影響範囲の広さから社会的な注目を集めやすい。事後の対応として再発防止策は欠かせないが、障害をゼロにすることは現実的に難しい。金融機関のシステムの問題に限らず、誤りが起こさないことを過度に重視すれば、新しいことに挑戦するイノベーションのエネルギーはそがれてしまう。社会全体として、誤りはどこかで起きるという前提に物事を考える意識変革が必要ではないだろうか。