シナリオ

  • エネルギー安全保障は、もはや化石燃料や中東情勢にとどまらない。デジタル化や脱炭素化の急激な進展により、リチウムやレアアースなどの重要鉱物が新たな戦略的資源としてその存在感を高めている。特に近年、中国など資源保有国による輸出管理の強化や自国産業育成のための重要鉱物の囲い込みなどによって供給リスクが顕在化している。こうした中、日本を含む西側諸国は鉱物資源の安定供給を共通の最優先課題としており、連携強化の機運が高まっている。今、日本に求められるのは、高度な技術力と国際的な信頼を活かしながら、価値観を共有する国々との連携を主導し、資源保有国との戦略的パートナーシップを構築していくことだろう。

  • 選挙2024, 台湾

    2024年は、世界各地で重要な選挙が行われる「選挙イヤー」であり、1月のバングラデシュ総選挙から11月の米大統領選に至るまで、多くの国・地域で選挙が予定されている。これらの選挙結果は、各国の政治環境や政策、貿易規制の方向性に影響を及ぼし、地政学リスクを高める可能性がある。本稿では、米中の対立点の1つとなっている台湾の総統選挙・立法院選挙に注目し、今回の選挙結果を概観したうえで、今後のシナリオを考える。

  • 2008年秋に起きた米国発の世界金融危機(リーマンショック)から15年が経った。中国経済の存在感が急激に高まった当時、現在とは全く異なる視点から「米国と中国のデカップリング(切り離し)」に対する関心が集まっていたことを取り上げたい。米中デカップリングの意味合いは、金融・経済政策や金融規制同様、15年の間に大きく変わった。こうした用語の移り変わりに着目していくことも、企業戦略にとって重要ではないだろうか。

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