欧州

  • 経済安全保障がグローバルビジネスの最重要課題となる中、欧州連合(EU)では、米国に事実上独占されている決済インフラが政治的な武器(レバレッジ)になりかねないという強い危機感から、過度な対米依存から脱却し、「金融・決済主権」を確立する動きが加速している。こうした地政学リスクに対処すべく、欧州はデジタルユーロの導入や独自の決済網の構築、金融市場の統合など、自律的なインフラ整備を進めている。本稿では、EUの決済環境とEUが直面しているリスクを概観し、主権確立に向けた議論の動向を紐解く。

  • 2026年2月、米国・イランによるイラン攻撃に伴う「ホルムズ・ショック」が世界を襲った。エネルギー価格の高騰は、欧州のグリーン政策を直撃し、エネルギー安全保障が最優先課題へと浮上した。しかし、欧州連合(EU)が踏み出した環境規制の緩和は、単なる場当たり的な危機対応ではない。背景にあるのは、第2次トランプ政権による揺さぶり、クリーン技術を席巻する中国、そして域内の政治的・経済的分断という三重の構造的圧力である。欧州は今、グリーン政策を「環境政策」から国家主導の「産業・安全保障政策」へと捉え直そうとしている。 

  • 2026年4月12日はハンガリーにとって歴史的な1日となった。16年にわたり「非リベラル民主主義」を掲げ、反EU、親中露路線だったヴィクトル・オルバーン首相率いる与党「フィデス(Fidesz)」が総選挙で敗北した。強固な基盤を築き上げていた長期政権が、なぜ今、崩壊したのか。本稿では、ハンガリーの現状とその特異性を紐どきながら、政権交代が実現した要因を検討する。さらにEUとの関係改善を模索する新興政党「ティサ(Tisza)」の誕生が欧州政治にどのような影響を与えるのか展望する。

13件中1 - 3