経済安全保障

  • 2026年2月、米国・イランによるイラン攻撃に伴う「ホルムズ・ショック」が世界を襲った。エネルギー価格の高騰は、欧州のグリーン政策を直撃し、エネルギー安全保障が最優先課題へと浮上した。しかし、欧州連合(EU)が踏み出した環境規制の緩和は、単なる場当たり的な危機対応ではない。背景にあるのは、第2次トランプ政権による揺さぶり、クリーン技術を席巻する中国、そして域内の政治的・経済的分断という三重の構造的圧力である。欧州は今、グリーン政策を「環境政策」から国家主導の「産業・安全保障政策」へと捉え直そうとしている。 

  • 鹿山真吾主席研究員(左)と北海道バレービジョン協議会の和田義明顧問(右)

    デジタル化の進展と地政学リスクの高まりによって、半導体は経済安全保障上、必要不可欠な戦略物資として再定義された。日本政府は、サプライチェーンの強靭化を目指し、北海道で次世代半導体の量産を目指すラピダス、熊本に生産拠点を設けた台湾TSMCなどに対する公的支援を進めている。政府の半導体戦略に呼応し、北海道では半導体産業を起点にした持続的成長を目指す「北海道バレービジョン協議会」が動き出した。この新たな産官学金による地方創生の枠組みを推進した、協議会の和田義明顧問(元防衛大臣補佐官・内閣府副大臣)とデロイト トーマツ戦略研究所の鹿山真吾主席研究員(デロイト トーマツ グループ ストラテジー・リスク・トランザクション リーダー)が半導体、地方創生の可能性について意見を交わした。

  • 2025年10月21日、自由民主党総裁の高市早苗氏が総理大臣に就任し、新内閣が発足した。高市政権が最初に直面する最重要イベントは、米国のトランプ大統領の来日になる。今後の日米外交においては、両国が合意した戦略的投資イニシアティブの確実な履行が不可欠な要素となった。米国に対する総額5500億ドルの投資枠組みの内容を整理したうえ、「海洋」、「宇宙」などの視点から日本の経済・産業活性化につなげる端緒を探る。

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