江田 覚

江田 覚 / Satoru Kohda

編集長 / 主席研究員

デロイト トーマツに2022年に参画し、政策分析・調整に従事。戦略研究所設立計画を主導した。以前は時事通信社にてワシントン特派員、編集委員等を務めた。
専門分野は国際関係論、産業政策論、政策過程分析。修士(公共政策)。

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  • Europe2031が警告するAI時代の国家戦略―日本に対する5つの示唆

    欧州のAI(人工知能)政策専門家たちが公表した近未来予測「Europe2031」が世界中で波紋を広げている。架空の欧州委員会職員とAI起業家が主人公となって未来を描く物語であることも未来予測のあり方に新たな視座をもたらした。特筆すべきは、AIをめぐる課題をイノベーション推進や規制の枠組みにとどめず、EU(欧州連合)の主権や交渉能力という地政学的観点から描写したことにある。AI主権を政治哲学上の概念にとどめず、AIを動かすための総合インフラ力である計算資源、半導体供給網やデータへのアクセス権と再定義し、具体的な課題として示した点は斬新である。この近未来シナリオは日本にどのような示唆を与えるのか。先端AIへのアクセス制限リスクや中堅国連携の可能性に言及しながら、読み解きたい。

  • 地域未来戦略の基盤となる100億宣言―「分配」から内発的発展を支える構成政策へ

    政府は地域未来戦略において、大規模な産業クラスターの形成だけではなく、地域レベルのクラスターの創出や地域資源の活用に焦点を当てている。戦略の成否を左右するのは、外部からの大型投資のみならず、地域内の中堅・中小企業の成長となる。この点で売上高100億円規模を目標として経営者の成長意欲を可視化する「100億宣言」は、地域企業からの内発的な発展を支える政策モジュール(施策)として機能する。今後の成長戦略における100億宣言の位置付け、可能性と課題を提示する。

  • 戦略産業クラスターをどう設計するか――北海道バレーが示す新たな官民連携の要諦

    国際秩序の変容と破壊的な技術革新を背景に、日本政府は経済安全保障を重視した成長戦略の策定を進めている。柱は、戦略的な自律性と不可欠性を高め、産業基盤とサプライチェーンを強靱化することだ。その実装のカギを握るのが、世界情勢と技術の変化に対応できる地域エコシステムの構築である。本稿は、2026年6月に策定が見込まれる「地域未来戦略」を念頭に、官民連携の先行事例とされる北海道バレービジョン協議会を分析し、他地域の産業クラスター創出への示唆を探る。

  • ミュンヘン安全保障会議が示す「新秩序」の論理:モジュール化、包括防衛、AI台頭を補助線として

    米国の第2次トランプ政権による高関税措置や国際機関からの脱退、ベネズエラでの軍事作戦によって、国際情勢は緊迫の度合いを増した。第2次世界大戦後、米国が主導してきた国際秩序が揺らぐ中、国際経済・金融の関係者の間では、世界情勢を見極めるための場として、「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」に対する関心が高まっている。「Under Destruction(破壊の最中)」に開催された2026年のMSCを振り返り、「モジュール型の枠組み」、「トータル・ディフェンス」、「AI(人工知能)台頭」という3つの論点を整理したい。3つの論点は、MSC閉幕直後に始まった米国によるイラン軍事攻撃や、今後の国際情勢を分析するための補助線となるだけではなく、日本の政策・企業の戦略を固めるうえでもヒントとなる。

  • 資源覇権の新フロンティア~重要鉱物と北極が動かす世界秩序~ (解説動画)

    世界経済は、「ビッグ・オイル」から「ビッグ・ショベル」への転換期にある。AI、半導体、再エネ、宇宙産業を支えているのは、リチウム、レアアースといった鉱物資源だ。さらに、氷が溶け始めた北極では、新航路と鉱物資源をめぐる競争が始まっている。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、資源覇権の新フロンティアである需要鉱物と北極について解説した。

  • Narrative

    偽・誤情報、ディープフェイク、SNSの炎上、そしてアルゴリズムによる情報の分断。デジタル空間におけるリスクは高まり、「事実を伝えれば、理解される」という前提が成り立ちにくくなっている。誰が、どの物語(ナラティブ)でどこで語るのかは重要性を増した。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、SNS・AI時代の情報戦略とナラティブ活用について解説した。

  • HealthyFood_shutterstock

    ウクライナ戦争の長期化、中東情勢、第2次トランプ政権の高関税措置によって、企業を取り巻く地政学リスクが複雑さを増している。シナリオ志向によってビジネスに「地政学」の視点を取り入れることが重要な課題となってきた。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が2026年のビジネスへのインサイトを語った。 

  • HealthyFood_shutterstock

    世界の「食」を取り巻く環境は大きく変わり始めた。国際情勢の不安定化、気候変動、食料需要の拡大によって、食料の安定調達が重要な課題となってきた。一方、技術革新やライフスタイルの多様化によって、食の価値そのものが再定義されつつある。 人口減少、農業基盤の弱体化など構造的なリスクを抱える日本はどのように対処すべきか。ビジネスチャンスはどこにあるのか。デロイト トーマツ戦略研究所の研究員が、食をめぐるトレンドや政策、ビジネスについて解説する。

  • 日米戦略投資からの産業活性化—高市政権が直面する外交課題

    2025年10月21日、自由民主党総裁の高市早苗氏が総理大臣に就任し、新内閣が発足した。高市政権が最初に直面する最重要イベントは、米国のトランプ大統領の来日になる。今後の日米外交においては、両国が合意した戦略的投資イニシアティブの確実な履行が不可欠な要素となった。米国に対する総額5500億ドルの投資枠組みの内容を整理したうえ、「海洋」、「宇宙」などの視点から日本の経済・産業活性化につなげる端緒を探る。

  • ナラティブからの政策分析、SNS時代の日本も活用を――「保育園落ちた」投稿を事例に読み解く

    世界各国でポピュリズムや排他的な主張が台頭し、政策とナラティブ(主観的な物語)の関係が注目を集めている。ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)が政策に及ぼす影響が大きくなる中、米欧では「ナラティブ政策フレームワーク」(Narrative Policy Framework、NPF)が政策過程分析の手法として発展した。NPFの意義と具体的な手法を概説したい。事例として、2016年にインターネットに投稿された「保育園落ちた」という文章を取り上げ、このナラティブがどのように日本の待機児童対策に影響したのかを分析する。