シンクタンク

米国の第2次トランプ政権は貿易相手国に高関税を課し、通商と為替、安全保障それぞれの政策を組み合わせた対応を迫り始めた。これを受け、欧州や英連邦では「米国に依存しない経済圏」を模索する動きが広がる。日本は、米国との同盟関係を引き続き大前提としつつ、開かれた経済圏の維持・拡充に向けた戦略の策定と実行が求められるだろう。本稿では、米国離脱後に11ヵ国が合意した「包括的・先進的環太平洋連携協定」(CPTPP、日本では従来「TPP11」と呼称) を基軸とした欧州や英連邦、アジア諸国との「ルールベース」の連携強化の可能性について提示する。

米国の第2次トランプ政権による国別の相互関税措置が2025年4月9日、実施日を迎えた。トランプ大統領は同日、日本を含めて報復措置を取らなかった国・地域に対して90日間、上乗せ分の適用を停止した。しかし、日本の多くの対米輸出品は最低10%の追加関税が課せられたままだ。日本は米国に関税の適用除外を求めており、2国間交渉が始まる。交渉の留意点を展望したい。金融市場で取り沙汰される「マールアラーゴ合意」(第2プラザ合意)についても言及する。

2025年は日本にとって、大きな節目の年になる。終戦直後に生まれた団塊の世代が全員75歳以上となり、「重老齢社会」が始まるためだ。少子高齢化をはじめとした社会課題を解決するにはイノベーションを加速させることが不可欠になる。海外に目を向ければ、米国ではドナルド・トランプ氏の第2期政権が1月に発足する。トランプ次期大統領の米国第一主義によって、安全保障や気候変動対策など国際協調が必要な分野で日本は決断を求められる。持続的な成長に向けて何をすべきか、企画「2025年の論点」として順次レポートを公開する。