グローバルウォッチ

  • 物質を構成する原子や電子など「量子」の特性を利用した量子コンピュータを取り巻く世界的な環境は近年、大きく変化した。研究開発の飛躍的な進展に伴い、各国で量子技術に関する国家戦略が策定・更新され、産業化を見据えたエコシステム形成の動きが加速しつつある。日本政府も2021~25年度の「第6期科学技術・イノベーション基本計画」で、量子技術を社会経済および安全保障上の国家戦略の一つに位置づけた。基礎的な研究開発から社会実装までを一貫して推進する戦略のもと、国際連携、人材育成、社会機運の醸成など様々な取り組みが産学官で動き出している。本レポートは、技術的な視点から語られることの多い量子技術の現状を、政策的観点から検証する。量子技術開発とビジネス創出に取り組んでいる企業や、参入を計画している企業の参考になれば幸いである。

  • ドイツ政治は、現政権の連立崩壊、議会解散、極右政党の台頭といった混迷の中にある。これらの現象は単なる政治対立の結果だけでなく、長年にわたり自由貿易体制を前提として構築してきたドイツの成長モデルの限界に起因している。中国との競争激化、ウクライナ戦争によるエネルギー価格の上昇、さらには「トランプ2.0」に代表される保護主義のリスクがこれに拍車をかけ、ドイツは、製造業依存からの脱却を含む抜本的な政策転換を迫られている。

  • 石破総理大臣が2025年初の訪問先に選んだインドネシアは、国際政治においてキャスティングポートを握る大国へと変貌しつつある。同国は、2022年にG20議長国、2023年にはASEAN議長国を務め、ASEANの盟主として頭角を現してきた。2025年1月には正式にBRICSへの加盟を果たし、その地位をさらに強固なものにしようとしている。本レポートでは、インドネシアが近年、国際的に注目を集めている背景を地政学的および経済的観点から概観するとともに、同国のBRICS加盟が意味することを考察したい。

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