グローバルウォッチ

中国だけでなく、欧米諸国においても経済活動に対する国家の介入が強まる中、米国は独自の方法で外国企業による対米投資を審査している。特に米中間の先端技術獲得競争を念頭に置いたこの審査は、日本企業も対象となる可能性がある。本稿では、米国への投資を安全保障の観点から審査する対米外国投資委員会(CFIUS)に焦点を当てる。対米投資審査における安全保障の定義は拡大しており、その時々の国際情勢や米国内の政治環境によって法の解釈や審査の適用範囲が異なることを強調したい。

欧州委員会は2023年11月、重要原材料法案(the Critical Raw Materials Act: CRMA)が政治合意に達したと発表した。重要鉱物の確保を目指す法整備だ。各国政府は重要鉱物へのアクセスを確保するために、鉱山開発や国際連携など様々な施策を打ち出している。欧州連合(EU)も例外ではなく、重要原材料法案は、重要鉱物の囲い込み政策の一環である。本稿では、重要原材料法案を詳述したうえで、重要鉱物を取り巻く各国の熾烈な獲得競争について分析する。

欧州連合(EU)は、2023年8月、バッテリー規則を施行した。2024年から段階的に適用される。EU域内に持続可能なバッテリーのバリューチェーンを構築することで、脱炭素社会の実現を目指す。バッテリー規則は、EU域内で販売される全てのバッテリーに対し、ライフサイクル全体にわたる環境、資源循環、人権などに関する情報の開示を義務付ける。企業には、データにもとづいてサプライチェーンを管理することが求められる。