グローバルウォッチ

2024年、BRICSは加盟国を拡大し、既存の国際秩序に挑む動きを見せている。一方、米国の次期大統領となるトランプ氏の強硬な反BRICS姿勢は、新たな地政学的リスクを生み出す可能性がある。本レポートでは、BRICSの狙いとその限界を考察するとともに、今後の国際秩序の変容を3つのシナリオを通じて展望する。BRICSが反米連合として一枚岩となる可能性は低いものの、世界が多極化に向かう流れは避けられないだろう。

中国だけでなく、欧米諸国においても経済活動に対する国家の介入が強まる中、米国は独自の方法で外国企業による対米投資を審査している。特に米中間の先端技術獲得競争を念頭に置いたこの審査は、日本企業も対象となる可能性がある。本稿では、米国への投資を安全保障の観点から審査する対米外国投資委員会(CFIUS)に焦点を当てる。対米投資審査における安全保障の定義は拡大しており、その時々の国際情勢や米国内の政治環境によって法の解釈や審査の適用範囲が異なることを強調したい。

欧州委員会は2023年11月、重要原材料法案(the Critical Raw Materials Act: CRMA)が政治合意に達したと発表した。重要鉱物の確保を目指す法整備だ。各国政府は重要鉱物へのアクセスを確保するために、鉱山開発や国際連携など様々な施策を打ち出している。欧州連合(EU)も例外ではなく、重要原材料法案は、重要鉱物の囲い込み政策の一環である。本稿では、重要原材料法案を詳述したうえで、重要鉱物を取り巻く各国の熾烈な獲得競争について分析する。