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2024年、BRICSは加盟国を拡大し、既存の国際秩序に挑む動きを見せている。一方、米国の次期大統領となるトランプ氏の強硬な反BRICS姿勢は、新たな地政学的リスクを生み出す可能性がある。本レポートでは、BRICSの狙いとその限界を考察するとともに、今後の国際秩序の変容を3つのシナリオを通じて展望する。BRICSが反米連合として一枚岩となる可能性は低いものの、世界が多極化に向かう流れは避けられないだろう。

米国のトランプ第2期政権が2025年1月20日、発足する。大統領に返り咲くトランプ氏は対立する中国だけではなく、カナダやメキシコへの関税賦課を表明した。連邦政府の再構築や大幅な規制緩和を進める意向も示している。米国は深刻な社会的分断の中、予見不可能性と自国最優先の度合いを増していくだろう。次期政権の政策、議会との関係を整理しながら、日本企業が現時点で留意すべき3つのポイントを取り上げる。

2024年11月5日の米国大統領選挙まで残り4カ月を切った。バイデン大統領に対する高齢不安が広がる一方、銃撃に遭ったトランプ前大統領の勢いは増している。日本では「もしトラ(もしもトランプ氏が再び大統領になったら)」ではなく、「ほぼトラ(ほぼトランプ氏が勝ちそう)」、「確トラ(確実にトランプ氏が勝つ)」という論調が目立ってきた。選挙結果を見通すことは簡単ではないが、トランプ氏の勝敗に関わらず、トランプ主義的な主張が今後の米国政治に影響を与えることは間違いない。政策の不確実性を増す米国で、日本企業が取るべき備えについて整理する。

グローバルに展開する日本企業にとって、欧州議会の右傾化は、自国優先の保護主義への対応で負担が増すリスクがある。一方で、環境重視から経済重視へのシフトや対中の経済関係の再評価による規制強化など、漁夫の利を得られるチャンスもある。M&Aを含む企業の投資計画やポートフォリオの再構築を考える上で、今回の欧州議会選挙の結果が経営判断の分水嶺となるかもしれない。

中国だけでなく、欧米諸国においても経済活動に対する国家の介入が強まる中、米国は独自の方法で外国企業による対米投資を審査している。特に米中間の先端技術獲得競争を念頭に置いたこの審査は、日本企業も対象となる可能性がある。本稿では、米国への投資を安全保障の観点から審査する対米外国投資委員会(CFIUS)に焦点を当てる。対米投資審査における安全保障の定義は拡大しており、その時々の国際情勢や米国内の政治環境によって法の解釈や審査の適用範囲が異なることを強調したい。

米中の覇権争いやウクライナ戦争など地政学的緊張が高まる中、「グローバルサウス」の重要性が高まっている。経済的な理由だけでなく、経済安全保障の観点からも日本には官民を通じたグローバルサウス諸国との連携が求められる。本稿では、日・ASEAN関係に焦点を当てる。ASEANは日本企業にとって単なる安い労働力や労働集約型の製造拠点から、グローバル・バリューチェーンの要へと変化してきた。そしてこれからは、互いの課題を解決するために「共創」という付き合い方があることを示したい。

米国の2024年大統領選挙に向けて、トランプ前大統領が共和党候補者指名に必要な代議員数を確保した。2020年に続き、バイデン大統領との一騎打ちになることは確定的となり、「ほぼトラ(ほぼトランプ氏が勝ちそう)」という論調が勢いづいている。トランプ氏が再選されれば、産業、エネルギー、外交など幅広い領域で急激に政策が転換されるため、日本企業は備えが求められるだろう。トランプ氏が選挙を制した場合、新政権に影響を与える保守派の動き「Project 2025」とシンクタンク「America First Policy Institute」について解説する。

2024年は、世界各地で重要な選挙が行われる「選挙イヤー」であり、1月のバングラデシュ総選挙から11月の米大統領選に至るまで、多くの国・地域で選挙が予定されている。これらの選挙結果は、各国の政治環境や政策、貿易規制の方向性に影響を及ぼし、地政学リスクを高める可能性がある。本稿では、米中の対立点の1つとなっている台湾の総統選挙・立法院選挙に注目し、今回の選挙結果を概観したうえで、今後のシナリオを考える。

欧州委員会は2023年11月、重要原材料法案(the Critical Raw Materials Act: CRMA)が政治合意に達したと発表した。重要鉱物の確保を目指す法整備だ。各国政府は重要鉱物へのアクセスを確保するために、鉱山開発や国際連携など様々な施策を打ち出している。欧州連合(EU)も例外ではなく、重要原材料法案は、重要鉱物の囲い込み政策の一環である。本稿では、重要原材料法案を詳述したうえで、重要鉱物を取り巻く各国の熾烈な獲得競争について分析する。

欧州連合(EU)は、2023年8月、バッテリー規則を施行した。2024年から段階的に適用される。EU域内に持続可能なバッテリーのバリューチェーンを構築することで、脱炭素社会の実現を目指す。バッテリー規則は、EU域内で販売される全てのバッテリーに対し、ライフサイクル全体にわたる環境、資源循環、人権などに関する情報の開示を義務付ける。企業には、データにもとづいてサプライチェーンを管理することが求められる。
