グローバルサウス

日本とアフリカの関係強化を目指す、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が2025年8月20~22日、横浜で開催される。経済成長が続き、豊富な資源を有するアフリカ諸国は今世紀半ば以降、経済・地政学的な影響力を増していく。一方、政治・社会リスクと国際情勢の緊迫、日本政府・企業のリソース面などでの制約から、アフリカに対する開発と投資は容易ではない。国際秩序の大きな変革期を迎える中、日本政府はTICADを基盤とした外交戦略の進化と深化が必要であろう。アフリカ新戦略の策定に向け、3つのポイントを提言したい。

石破総理大臣が2025年初の訪問先に選んだインドネシアは、国際政治においてキャスティングポートを握る大国へと変貌しつつある。同国は、2022年にG20議長国、2023年にはASEAN議長国を務め、ASEANの盟主として頭角を現してきた。2025年1月には正式にBRICSへの加盟を果たし、その地位をさらに強固なものにしようとしている。本レポートでは、インドネシアが近年、国際的に注目を集めている背景を地政学的および経済的観点から概観するとともに、同国のBRICS加盟が意味することを考察したい。

2024年、BRICSは加盟国を拡大し、既存の国際秩序に挑む動きを見せている。一方、米国の次期大統領となるトランプ氏の強硬な反BRICS姿勢は、新たな地政学的リスクを生み出す可能性がある。本レポートでは、BRICSの狙いとその限界を考察するとともに、今後の国際秩序の変容を3つのシナリオを通じて展望する。BRICSが反米連合として一枚岩となる可能性は低いものの、世界が多極化に向かう流れは避けられないだろう。