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2023年10月1日、欧州連合(EU)の炭素国境調整メカニズム(CBAM)の移行期間が開始した。CBAMは、いわゆる国境炭素税と呼ばれるもので、気候変動の対策が不十分な国から欧州経済領域(EEA)域内への輸入品に対して、“関税”が賦課される。CBAMの導入は世界初の取り組みであり、鉄鋼・アルミニウム業界を中心に産業界は対応に迫られている。対象製品や温室効果ガス(GHG)排出量の計算方法などを含め、EUの今後の運用を注視する必要がある。

2024年大統領選が目前に迫る米国では、AI(人工知能)によって偽の画像、音声、動画を生成する悪意あるディープフェイクによる混乱が懸念されている。既に、連邦および州レベルで規制をかける動きもある。世界が注目する大イベントだけに、選挙に限らず、企業活動におけるAI活用ルールにも影響を及ぼすことが予想される。本稿ではその論点を整理する。

日本発の宇宙産業が飛躍できるかどうかは、社会課題の解決を目指す「大企業・政府機関」と、技術・ソリューションを持つ「スタートアップ・大学・研究機関」の協業にかかっている――。そうした確信に基づき、デロイト トーマツ グループが立ち上げた宇宙特化型アクセラレーションプログラムが「GRAVITY Challenge JP」である。共創プロジェクトが次々に誕生し、9月14日には報告会が開催された。その骨子をレポートする。

欧州委員会(EC)は、2023年10月4日、中国から輸入されるバッテリー式電気自動車(BEV)の補助金調査を開始した。ECは、経済安保の見地から貿易・投資などの管理を強化しており、欧州域内の産業基盤強化と国際社会での欧州の競争力向上を目指す。ただし、経済安保を掲げた規制が行き過ぎれば保護主義の弊害を招きかねない。今回の補助金調査のケースから、日本が経済安保施策を考えるうえで、学ぶべきポイントを示したい。

米国の対中政策がデカップリングからデリスキングへと転換しているとされている中、バイデン政権は、中国への投資を規制する新たな措置を導入することを発表した。米国からの資金が、中国の軍事力強化の資金源になることを避ける狙いがある。米国は同盟国にも同様の措置を導入するよう求めており、欧州連合はすでに検討を始めている。日本政府にも対応が求められる。

英国は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP、通称TPP)に初の新規メンバーとして迎え入れられた。企画後編では、英国に続く加入候補国・地域を取り上げ、実現の可能性や日本企業にとってのメリットを整理する。

英国がCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、通称TPP)に署名した。経済安全保障が重視される現状で、英国のTPP加入は日本にとって、デジタル政策の推進やルール形成という観点から進展が予想される。国際事業やデジタル領域を手掛ける日本企業は注視が必要である。前編となる本稿では、英国のTPP加入の意義、日本企業にとっての課題を整理する。

米国では中国を念頭においた対外投資規制の導入に向けた検討が本格化している。これは、半導体関連、人工知能(AI)など重要・新興技術分野への対中投資を監視するものである。欧州委員会も対外投資審査の導入を検討していることから、今後日本国内の議論にも波及してくることが予想される。

米国と中国の経済面における完全デカップリング(分断)は非現実的だが、こと先端技術分野に関しては競争と分断は激化する一方で、両者一歩も引かない構えを見せている。日本企業にとっても、影響は免れない。

2023年度は、「経済安全保障」の影響が多くの日本企業に波及する元年になる。まずは、ここに至る背景と全体像を俯瞰しておきたい。2回に分けて解説する。
