記事一覧
「トモダチ」が拡げる量子共創の輪

海外の有力スタートアップやVCが登壇し、国内外の産官学関係者が集う「グローバル量子トモダチの会 2026」が東京で開催されました。会場では、スタートアップの最先端の技術が産業実装へと着実に近づいている現在地が示され、日本市場への期待の高まりとともに、国際連携が量子分野の発展を加速させていることが印象づけられました。
フィジカルAI、日本の勝機はどこにあるか ーSusHiTech2026レポートー

フィジカルAIは、生成AIに続く有力な領域として注目を集めています。しかし、米中が先行するなか、日本が再びロボティクスで存在感を示すのは容易ではありません。SusHi Tech Tokyo 2026の議論をもとに、現場で蓄積されるデータの価値、社会課題に根差した実装力などの観点から、日本のスタートアップの可能性を考えます。
社内コミュニケーションは企業ブランドをどう形づくるのか

企業ブランドは、広告などの社外コミュニケーションだけでなく、日々の社内コミュニケーションの積み重ねによって内側から形成されます。Design & Brand パートナーの白土学が、ブランド価値向上と社内コミュニケーションを結びつける仕組みづくりについて語ります。経営理念やパーパスと矛盾のない言葉が一貫して流通し、意思決定や評価に至るまで反映されているかが鍵です。
モーダルミックスによる物流最適化への挑戦

トラックドライバーが不足する「2024年問題」を背景に、環境負荷低減と効率化を両立するモーダルシフト(鉄道等による輸送への転換)が再注目されています。「貨物鉄道論文賞」特別賞を受賞した、合同会社デロイト トーマツの上田恵美子が、鉄道とトラックなどを効果的に組み合わせる「モーダルミックス」の実現に向けた資金調達の多様化などを考察し、物流の未来を展望します。
大阪・関西万博の経済・社会インパクトと未来へのレガシー

2025年10月に大阪・関西万博が閉幕しました。半年の会期中、一般来場者は2500万人を超え、ミャクミャク人気などでも話題を集めました。経済や社会への影響という観点ではどのような効果があったでしょうか。また、未来には何を残すことができるのでしょうか。デロイト トーマツのエコノミクスチームが、経済波及効果やソフト・ハードのレガシーについて考察しました。
AIと人間の協働がもたらすビジネス変革

AIの能力は飛躍的に向上しています。以前、創造的な事は人間にしかできないと言われていましたが、生成AIが絵も描くようになりました。生成AIの用途のトップは「セラピー/話し相手」という調査結果もあり、相談や共感といった人間的なコミュニケーションの領域にもAIが活用されています(※1)。デロイト トーマツ ディープスクエア株式会社(以下DTDS)代表の小林(寛)とCTOの小林(範)が、AIと人間が協働する将来を展望し、人間とAIの役割分担や意思決定の在り方について考察します。
AI人材育成と人材戦略の最前線

AI技術が急速に進展していますが、ビジネスの現場で最大の課題となっているのが、AIを使いこなすための人材やスキルの不足です。AI領域の教育や開発支援などを専門とするデロイト トーマツ ディープスクエア株式会社(以下DTDS)代表の小林(寛)とCTOの小林(範)に、必要とされる人材像などについて話を聞きました。
生成AI時代のカスタマーサービスとCX向上

AIの進化がカスタマーサービスやコンタクトセンターの現場をどう変えるのか。業務プロセス改革、リスク対策、ROIの考え方など、AI活用でCX(顧客体験)向上を成功させるための視点について、DTFAのプロフェッショナルである加瀬と松田がクライアント事例や最新動向をもとに語りました。
「世界の悲しい経験を減らしたい」海外に飛び出し社会課題に立ち向かう女性起業家たち

女性活躍支援プロジェクトToget-HERが万博で特別イベント開催女性活躍を支援する一般社団法人Toget-HERが、2025年7月10日・11日に大阪・関西万博のウーマンズパビリオンで特別イベントを開催しました。10日には「社会課題を解決する女性起業家たち」と題したプログラムに、南米やアフリカで、犯罪・治安、貧困、女性の雇用などの社会課題に取り組む3人の女性起業家が登壇し、Toget-HERをリードするDTFAの大塚泰子がモデレーターを務めました。「世界の悲しい経験を減らしたい」「貧困をなくしたいという志を持って単身ブルキナファソに拠点を移した」「タンザニアで、16歳で双子を妊娠して退学したアナに出会った」など印象的なコメントが多いパネルディスカッションとなりました。画面上左上 菊池モアナさん、右上 梶田真実さん、下 原口瑛子さん、手前 DTFA 大塚泰子株式会社Singular Perturbations 梶田真実さん 独自アルゴリズムで犯罪発生数を68%削減最初に自己紹介をしたのは、株式会社Singular Perturbations(シンギュラー パータベーションズ)代表の梶田真実さんです。統計物理(理論)を専門とする研究者でしたが、病気にかかったことなどをきっかけに、社会をより良くするために知識や能力を使いたいと考えるようになり、起業したと言います。イタリアでスリに遭った後、曜日や時間、場所などがスリが起きる確率が高くなる条件に当てはまっていたことに気づきました。そこで人口、過去の犯罪データ、衛星画像、建物属性等様々なデータを使い、独自のアルゴリズムに基づき犯罪予測を行うシステムCRIME NABIを開発し、「世界の悲しい経験を減らす」というビジョンを掲げ事業を進めています。世界的に犯罪件数が多い中南米を主要ターゲットとし、ブラジルやホンジュラスの警察などにサービスを提供しています。転移学習を使いデータが少なくても予測が行える、AIの専門家でなくても犯罪のパトロールや監視カメラのモニタリングを効果的に行えるといった強みがあり、ブラジルのミナスジェライス州では盗難の発生数を68%削減するという効果を得ました。女性としての難しさを聞くと、「私は物理学、起業、警察と、男性の割合が非常に高い中で生きてきています。その中でリーダーシップを発揮するためには、納得性が高いロジックや成果を示すことが大切だと考えています。また、やはり属性が似ている人とは関係を築きやすいというのはあります。ブラジルで初めて警察向けの事例ができた都市は、首長が女性だったことが関係しているかもしれません」と答えました。【Borderless Burkina Faso】原口瑛子さん テロの影響を受ける国で女性の雇用を創出ソーシャルビジネスを専門とする株式会社ボーダレス・ジャパングループから、原口瑛子さんと菊池モアナさんが、事業を行うアフリカ現地から登壇しました。原口さんは、学生のときにケビン・カーターの有名な写真「ハゲワシと少女」を見て、貧困をなくしたいという志を抱いたと話し始めました。2022年に単身ブルキナファソに拠点を移し起業します。ブルキナファソは世界最貧国の1つで、テロも頻発しています。原口さんが現地の人と膝を突き合わせて語り合ううちに、就学率・就労率が低い女性が特に弱い立場に置かれていることを知りました。女性達に自立できる安定収入と帰属できるコミュニティを提供できるビジネスを行いたいと考えました。ブルキナファソはシアナッツの生産が世界トップレベルで、その資源を活かしシアバターを事業化しました。シアバターの加工・製造を行う女性組合と連携し、海外の化粧品メーカーに販売を行います。取引先からは原料の作り手の顔が見えるトレーサビリティの高さが評価されているといいます。さらに、革製品のケア用品などシアバターの用途拡大にも取り組んでいます。「貧困の解決という大きな課題に対しては大海の一滴でしょうが、私の挑戦によって、ほかの誰かが後に続きやすくなるかもしれないと思っています。私は子供時代を熊本で過ごしましたが情報が乏しかった。今はどこにいても、世界で様々な活動している女性を身近に感じることができますよね、このイベントや万博もその機会の一つです」と語りました。【Borderless Tanzania】菊池モアナさん 生理用ナプキンの製造工場を全国に展開したい菊池さんは大学で「教育が社会課題解決のカギを握る」と学び、現場を見たいとタンザニアに行きました。そのとき、16歳で双子を妊娠して退学し、貧困の中で自殺も考えた少女アナに出会いました。タンザニアでは、女性の4人に1人が10代で望まない妊娠をし、学校を辞めざるを得ず、中絶を禁じられ、シングルマザーとして貧困に苦しんでいるという厳しい現状を知ります。菊池さん自身も若くして妊娠・出産を経験しましたが、「日本は様々な援助があり恵まれている。助けてもらった分、タンザニアの女性達をサポートしたい」と決意したそうです。タンザニアでは生理用ナプキンの製造工場を設立し、若年妊娠で退学した女性達に働く場を提供しています。ナプキンは中~高所得者向けに販売し、利益から貧困層の少女達にナプキンや性教育を寄付する仕組みです。「初めは安く作ろうと考えましたが、いくら安くても、貧困ライン(一日280円)以下で生活している貧困層には手が届かないと気づきました。彼女たちは生理用品がないので紙や端切れなどで代用し、水も満足に使えないため不衛生で、尿路感染症が風邪レベルで流行しています。生理ケアができないため学校を休み、授業についていけなくなって退学する子も多い」と説明します。国連人口基金などとも連携し、これまでナプキン53万枚の寄付を行ったほか、工場を全国に展開する計画を進めています。最初の訪問で出会ったアナは、今は工場のリーダーとして生き生きと働いているそうです。女性の視点が社会課題の解決にどうつながったか、という質問には「男性社会では『若い女性が子供を産んで家にいるのは普通だ』と思われてしまうので、見落とされやすいテーマを扱えています。ただし、外国人の小娘として扱われる難しさはあります。政府の役人から袖の下を要求されたりもします」と答えました。上川陽子前外務大臣もエール「大変頼もしく、感動しました。また話を聞きたい」上川陽子衆議院議員も会場でセッションを聞いていました。「私はWPS(Women, Peace, and Security、紛争・災害・暴力等の課題への女性参画)に取り組んでいます。皆さん使命感を持ってその現場で活動されていて、大変頼もしい。課題に立ち向かい、切り拓いていく力に感動しました。持続し拡大していく中では、さらに大きな問題を乗り越えていかなくてはならないでしょうし、自分が今持ってない力が必要となるフェーズもあるでしょう。この先のお話もまた聞きたいです」とコメントし、3人の女性起業家にエールを送りました。DTFAの大塚は、「皆さんのお話には感動しました。女性は『次世代のために、いい社会を作りたい』という意識が強いと思います。そういう女性の強みを活かしていきたいですね」と締めくくりました。
海洋国家日本から世界へ、イノベーションでブルーエコノミーの未来に挑む

海洋資源の持続可能な利用と環境保護を両立するブルーエコノミー。海に囲まれた島国日本にとっては、新たなビジネスフロンティアになるという期待が高まっています。伝統的な業界である水産業から最新の環境保全まで、ブルーエコノミーに革新をもたらすスタートアップが世界に挑もうとしています。身近な海とイノベーションが交差する未来を展望します。
