トランプ政権

ドイツ政治は、現政権の連立崩壊、議会解散、極右政党の台頭といった混迷の中にある。これらの現象は単なる政治対立の結果だけでなく、長年にわたり自由貿易体制を前提として構築してきたドイツの成長モデルの限界に起因している。中国との競争激化、ウクライナ戦争によるエネルギー価格の上昇、さらには「トランプ2.0」に代表される保護主義のリスクがこれに拍車をかけ、ドイツは、製造業依存からの脱却を含む抜本的な政策転換を迫られている。

石破総理大臣が2025年初の訪問先に選んだインドネシアは、国際政治においてキャスティングポートを握る大国へと変貌しつつある。同国は、2022年にG20議長国、2023年にはASEAN議長国を務め、ASEANの盟主として頭角を現してきた。2025年1月には正式にBRICSへの加盟を果たし、その地位をさらに強固なものにしようとしている。本レポートでは、インドネシアが近年、国際的に注目を集めている背景を地政学的および経済的観点から概観するとともに、同国のBRICS加盟が意味することを考察したい。

日銀が目指す「物価と賃金の好循環」実現に向け、2025年春闘でも昨年並みの賃上げが想定されており、マクロ目線では賃金、物価、消費の好循環が期待されている。しかし、ミクロ目線でコンシューマー企業の競争環境を見ると、値上げを妨げるリスクも想定される。 本稿では特に2点取り上げる。1つは業態間競合の激化が企業に価格維持バイアスをもたらすリスクである。もう1つは、中国発のデフレが市場価格に低下圧力をかけるリスクである。前者は食品取扱をはじめとする小売業態の小商圏化がより進行するためであり、今後長期間にわたって構造的な要因となる。後者は、中国の生産過剰と米国の対中関税政策に端を発するものであり、起こるかどうか不透明なものの、発生した場合の影響は非常に大きい。