トランプ政権

米国の第2次トランプ政権は貿易相手国に高関税を課し、通商と為替、安全保障それぞれの政策を組み合わせた対応を迫り始めた。これを受け、欧州や英連邦では「米国に依存しない経済圏」を模索する動きが広がる。日本は、米国との同盟関係を引き続き大前提としつつ、開かれた経済圏の維持・拡充に向けた戦略の策定と実行が求められるだろう。本稿では、米国離脱後に11ヵ国が合意した「包括的・先進的環太平洋連携協定」(CPTPP、日本では従来「TPP11」と呼称) を基軸とした欧州や英連邦、アジア諸国との「ルールベース」の連携強化の可能性について提示する。

米国トランプ大統領が相互関税を発表したことで日本では、自動車をはじめとする主要な輸出産業で懸念が広がっている。北米向け輸出への直接的影響は避けられないからだ。一方、内需を中心とするコンシューマー産業に関しては、景況感悪化や賃上げ鈍化を経由した間接的影響が指摘されるにとどまっている。そこで本稿では、小売り、食品メーカー、アパレル、消費財・FMCG(日用消費財)企業を念頭に置きながら、コンシューマー産業にもたらす5つのリスクについて、どのような影響がいつ発現するのか考察した。

米国の第2次トランプ政権による国別の相互関税措置が2025年4月9日、実施日を迎えた。トランプ大統領は同日、日本を含めて報復措置を取らなかった国・地域に対して90日間、上乗せ分の適用を停止した。しかし、日本の多くの対米輸出品は最低10%の追加関税が課せられたままだ。日本は米国に関税の適用除外を求めており、2国間交渉が始まる。交渉の留意点を展望したい。金融市場で取り沙汰される「マールアラーゴ合意」(第2プラザ合意)についても言及する。