ホットイシュー

2024年の日本政界は激動の一年となりそうだ。政治資金パーティーをめぐる事件が自民党を直撃し、4つの派閥が解散に追い込まれた。そうした中で最大の注目は自民党総裁選挙である。今回の事件への対応を誤れば岸田文雄首相の総裁再選も危うくなる。もし新しい総理・総裁が誕生すれば、3年ぶりに総選挙が年内に実施される公算が大きい。海外に目を向けると、6月の欧州議会選挙、11月の米国大統領選挙など世界情勢に影響を与える選挙が控える。「選挙イヤー」となる2024年に岸田政権を待ち受けるシナリオを予測するとともに、日本を取り巻く情勢を展望する。

「中堅企業」に対する成長促進措置が2024年の経済・産業政策で注目すべき取り組みになる。政府は産業競争力強化法を改正し、従業員2000人以下の企業を新たに中堅企業と位置付ける。2024年度政府予算案、政府税制改正大綱から新政策のポイントを整理したい。

成長分野への投資として活用されている国の基金をめぐり、事業のKPI(重要業績評価指標)が一部で策定されていなかったことなどが明らかになり、非効率的な運営が問題視されている。政府内では昨今、基金だけでなく予算事業全般においても政策の実効性を高めることが急務となっている。そこで本稿では、より効果的な政策形成を実現するため、政策分析の専門性を有するデータアナリスト人材の積極的な登用を提言したい。英国政府における分析専門職の活用事例も紹介し、「政策形成の近代化」に向けた具体的な方策を考える。