日豪比較で探る対豪投資のヒント

デロイトのシドニー駐在員が日本とオーストラリアの社会やビジネス環境を多角的に比較しながら対豪投資を検討する方に向けて現地事情や最新トレンド、実践的な投資のヒントを分かりやすくご紹介します。両国の制度や市場の違いから見えてくる投資の成功ポイントやリスク対策、事業展開の可能性など、これからオーストラリアへの投資を考える方に役立つ情報をお届けします。

デロイトのシドニー駐在員が日本とオーストラリアの社会やビジネス環境を多角的に比較しながら対豪投資を検討する方に向けて現地事情や最新トレンド、実践的な投資のヒントを分かりやすくご紹介します。両国の制度や市場の違いから見えてくる投資の成功ポイントやリスク対策、事業展開の可能性など、これからオーストラリアへの投資を考える方に役立つ情報をお届けします。
  • サプリメント百花繚乱の時代である。日本のドラッグストアに行けば、各種ビタミン・カルシウム・鉄等の健康状態を整えるための製品はもちろんのこと、最近では睡眠の質を高める製品や糖質・脂肪の吸収を抑制して体型維持に資する製品なども存在感を高めている。高齢化に伴う健康維持需要の高まりが背景にあることが想起されるが、病気に罹患する前からあらかじめ手を打つ予防医療の概念が浸透しつつある可能性もある。いずれにしても、サプリメントを手掛けるコンシューマーヘルス企業にとっては魅力的な市場環境であるといえよう。さて、同様にサプリメント百花繚乱なのがオーストラリアである。ドラッグストアに行くと日本でもおなじみの各種ビタミンや鉄・マグネシウム等はもちろん、「肝臓デトックス」や「65歳以上男性向け」はたまた「健康脳」等、当地ならではの製品を数多く見ることができる。しかし、当地では高齢化は日本と比べると緩やかであり、国民に占める65歳以上人口の割合は2024年時点で日本の29.8%に対してオーストラリアは17.7%である(*1)。日本とは状況が異なるはずのオーストラリアで、なぜサプリメント市場は活況を呈しているのだろうか。

  • 日本では医療費の増大とそれに伴って増え続ける現役世代の社会保険料負担が社会的な課題となっている。そして、医療資源配分最適化とそれを通じた医療費抑制の文脈の一環で良く語られるのが「かかりつけ医制度」である。複数医療機関の重複受診やいわゆる「コンビニ受診」が一部医療機関の負荷を高めかつ医療費の増大を招いていることから、地域の「かかりつけ医」にゲートキーパー役としての役割を担ってもらい、患者が真に必要なものに絞って然るべき医療機関で診療を受けられるようにし、偏りや無駄の抑制を図るものである。さて、このかかりつけ医 (以下、「GP (General Practitioner・総合診療医)」) 制が医療システムの前提として確立されているのがオーストラリアである。