GX推進法

改正GX推進法が5月28日、参議院で可決された。2023年制定のGX推進法で化石燃料賦課金、特定事業者負担金などGHG排出に対する炭素価格の設定が打ち出されていたが、今回改正の柱は、排出量取引制度の一種であるキャップ&トレード制度への加入を、温室効果ガス(GHG)排出企業に新たに義務付ける点にある。 日本のキャップ&トレードとしては2023年に「GXリーグ」参加企業を対象とする「GX-ETS」が開始されていた。政府は2025年までをGX-ETSの第1フェーズとして試行し、2026年からの第2フェーズには本格導入するとしていた。このスケジュールに沿って政府での検討作業を経て策定されたのが改正GX推進法だ。改正法では第2フェーズの骨格しか示されておらず、詳細は今後制定する政令によって定めるとしている。

温室効果ガス(GHG)排出に価格を設定する「カーボンプライシング」を導入する動きが広がっている。従来は欧州連合(EU)などの先進国が主体だったが、近年は中国、韓国、南アフリカ共和国といった新興国、途上国にも波及。日本でも企業の自主的な温暖化対策を促す枠組みが設立され、そして、2023年からGXリーグに参加する企業による排出量取引制度(GX-ETS)の試行が開始された。当初は日本政府が運営する制度に由来する排出枠(クレジット)に限り利用が認められる見込みだったが、2024年4月に追加的に利用が認められるクレジットのガイドラインが発表された。今後の展開が注目される。
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