CO2排出量

  • 2023年の日本の温室効果ガス(GHG)の排出量が、今年4月に発表された。それによると日本のGHG排出量は減少を続けていることが判明した。日本がパリ協定の下で設定している2030年の排出削減目標(NDC)の基準年である2013年と比較しても大きく減少している。2013年は、東日本大震災のために原子力発電所の多くが停止していたこともあり排出量も多かったが、震災前の2010年の排出量をも下回る結果となっている。GHG排出量の9割を占めるCO2 排出量も減少している。

  • 改正GX推進法が5月28日、参議院で可決された。2023年制定のGX推進法で化石燃料賦課金、特定事業者負担金などGHG排出に対する炭素価格の設定が打ち出されていたが、今回改正の柱は、排出量取引制度の一種であるキャップ&トレード制度への加入を、温室効果ガス(GHG)排出企業に新たに義務付ける点にある。 日本のキャップ&トレードとしては2023年に「GXリーグ」参加企業を対象とする「GX-ETS」が開始されていた。政府は2025年までをGX-ETSの第1フェーズとして試行し、2026年からの第2フェーズには本格導入するとしていた。このスケジュールに沿って政府での検討作業を経て策定されたのが改正GX推進法だ。改正法では第2フェーズの骨格しか示されておらず、詳細は今後制定する政令によって定めるとしている。

  • 近年、地球温暖化対策への取組みにおいて温室効果ガス(GHG)排出量を正味でゼロにする「ネットゼロ」を目指す動きが広がっている。政府だけではなく地方自治体、企業なども、自主的に設定したネットゼロ目標の目標達成に動き始めている。ネットゼロではGHG排出量を可能な限り削減する一方、削減が困難な排出量については大気中からCO2を除去することで、排出量と除去量を均衡させる。GHG排出量の削減だけではなくCO2除去も重要なため、除去に関連する取組みや技術への関心が高まって来ている。こうした中、EU では2024年4月に排出枠の取引を活用して除去の導入を支援する制度が、欧州議会において正式に採択された。今後、多方面に影響を及ぼす可能性もある。

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