
Ira Kalish
Deloitte Touche Tomatsu
チーフエコノミスト
米国では、中東紛争による混乱はAIへの積極的な投資によって一部相殺されています。これにより米国経済は順調に成長し続けています。ただし、これは米国だけに当てはまることではなく、実は韓国経済でも同様の現象が起きています。韓国は中東における混乱の影響を受けたものの、AI関連のグローバルサプライチェーンへの参加により経済は活性化しています。
韓国銀行の新総裁は、AI関連の半導体チップの堅調な輸出が2026年の実質経済成長率を0.7%ポイント押し上げると予測しています。これは、実質経済成長率を0.4%ポイント押し下げると予測されている原油高のマイナス影響を上回るものです。さらに、原油価格の変動に対応するための政府の追加予算は、GDPを0.1~0.2%ポイント押し上げると予測しました。
韓国経済を支えてきたのは、AI技術に使われる高性能半導体の堅調な輸出です。2026年第一四半期の輸出は前年同期比で139%増加しました。一方で、造船業、鉄鋼業、石油化学工業など、他の産業は原油価格の上昇に直面し苦戦しています。
台湾では、政府は2026年の経済成長率を9.6%と見込んでいます。これは過去16年間で最高の成長率です。この輝かしいパフォーマンスは、主にAIの急成長に関係しています。台湾は、世界最先端のチップの非常に大きな割合を生産しており、それらのチップはAIにとって極めて重要です。既に2025年の経済成長率は8.8%を記録し、これは過去15年間で最高でした。
この力強い成長は輸出を原動力としており、輸出は2026年には39.8%の成長が見込まれています。台湾の経済成長は力強いものの、これは内需に後押しされたものではないため、大きなインフレ圧力をもたらしてはいません。これは、台湾中央銀行が今年も政策金利を据え置く可能性が高いことを示唆しています。
翻訳者
合同会社デロイト トーマツ
ファイナンシャルアドバイザリー
増島 雄樹
合同会社デロイト トーマツ
ファイナンシャルアドバイザリー
高島 理沙子





