ヒトメミライ 02
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2025年がはじまって1か月がたった。依然として、いやむしろ、体感値としてはインフレや円安などはより加速している、留まる気配を見せない状況に感じる。▼われわれは今、この日本において大いなる潮目の変わるタイミングに居合わせているようにも感じる。それはあたかも、いままで満ち引きがあったものが、まるで一方的な流れを形成して不可逆的に向かっていくように思える。日本が抱える社会課題は肥大化・複雑化を続けており、フェイクを含む情報過多の時代で、われわれが知らなければならない不都合な真実が埋もれていく。▼このような状況の中でどのように物事を打開していくのかを考えなければならない。日本は欧州のようにルール形成力と実効性が強いわけではなく、はたまたアメリカのように突出したゲームチェンジャーが出現する土地柄でもない。ルール形成に向けた方向性に対し、随時多様な産業側が呼応するように連携し、ステップバイステップで社会実装されていく、そういう進み方が、われわれが現実的に取りうる社会実装の型なのである。それを改めて理解し、そのうえでスピード感や投資効果を最大化しうるやり方に進化させていくことが肝要だ。いうなれば、令和版「多業種連携による社会課題の解決」スキームである。▼他方で、もちろん明るい材料もある。価値観の変容の中で、多様な価値観に育まれた人材、まだまだアンダーバリューされている日本の無形資産など、次の世代、次の産業のタネは確実に育ってきている。希望を持ちながら、日本をアップデートしていきたい。
(パートナー 伊東真史)