GIV
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー | Nov. 2025
サステナビリティの重要性は、今や疑う余地がありません。本来サステナビリティとは、環境・社会・経済のバランスを保ち、次世代に負担を残さず成長を続けるための概念であり、効率化はその一手段にすぎません。しかし、持続可能な社会を目指す取り組みが、効率化や合理化に偏りすぎるあまり、美しさや楽しさ、心の豊かさといった文化的な価値が置き去りになってはいないでしょうか。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、日本の職人技や伝統文化に息づく知恵に学び、サステナビリティを単なる効率性の追求にとどめず、文化や美意識を未来に引き継ぐことを目指しています。その思いを形にすべく、「未来に何を渡せるか」をテーマに掲げたプロジェクト GIVを始動しました。
CHALLENGE
持続可能性の陰で失われるもの
サステナビリティという概念は、1987年に「環境と開発に関する世界委員会」の報告書『Our Common Future』で初めて国際的に提示されました。その後、2015年のSDGs採択を経て、2030年の達成に向けて各国で取り組みが加速しています。一方で、持続可能な社会の実現に向けたさまざまな活動の中には、効率化や合理化が優先され、長い時間をかけて育まれてきた文化的価値や感性が十分に考慮されていないケースも見受けられます。これらの価値を守りながら、持続可能な未来を築いていくことが、これからの社会にとって重要な課題のひとつです。
IDEA
伝統 × 創造で未来をつくる、GIVブランド
「未来に残したいもの」をひとつのブランドとして束ね、人々の記憶と暮らしの中で息づかせていく。それが、GIVの挑戦です。効率や合理性が優先される現代社会の中で、失われかけている文化的価値をどう未来に残すか。私たちは、その答えのひとつを、日本の職人技や伝統文化に見いだしました。たとえば、割れた陶器や磁器を修復し、新たな価値を吹き込む「金継ぎ」は、失われかけたものを活かし続ける、日本らしい発想を体現しています。こうした価値ある技術や文化を、「未来に残したい価値」としてジャンルを問わず束ね、多くの人にその魅力を再発見してもらい、次世代へと受け継いでいく。これが、私たちの目指すGIVブランドのあり方です。この理念をもとに、日本各地に息づく技術や文化にクリエイティビティを重ね合わせ、次世代へ受け継ぐ新たな価値を生み出すプロジェクトGIVを始動しました。
SOLUTION
受け継ぎ、創り出す未来へ
GIVは、「未来に何を渡せるか」をコンセプトに掲げ、日本各地で受け継がれてきた文化的資産や伝統技術を、次世代につながる新たな価値へと昇華させるプロジェクトです。失われつつある地域の魅力や職人の技、そしてそこに宿る精神を未来へ継承することを目的に、現代の感性やテクノロジーを融合させた新しい形を提案します。
その第一歩として、静岡県の茶産業が直面する課題、和菓子文化の衰退、ファッション業界の環境問題をテーマに設定し、各分野の専門家やクリエイターと協働しながら解決策を探ります。単に伝統を守るだけでなく、現代に適したデザインや体験へと再構築することで、文化と産業の持続可能性を高めていきます。プロジェクトGIVでは、未来に渡すべきものを厳選し、そこにクリエイティビティを加えることで、より多くの人とともにサステナブルな社会の実現に貢献していきます。私たちは、この活動を通じて「受け継ぐことの価値」を再発見し、次世代へ希望と豊かさを手渡すことを目指します。