四国中央市のシティプロモーションは、2年目を迎えました。2024年3月10日に開催予定の第2回「18っ祭!」に向けて準備が本格化しています。
昨年度の「18っ祭!」の成功を受け継ぎ今年から運営メンバーとなった土居高校の黍田美玲さん、木村あやかさんに参加のきっかけや感想などを伺いました。また、前年度に引き続きシティプロモーションの企画・運営を担当している四国中央市みらい創造室の進藤頼厚さん、篠永友洋さん、竹内優衣さんにはまちづくりの状況や若者たちの印象を伺いました。

高校生が「18っ祭!」を受け継ぐ責任と充実感

土居高校2年生:黍田美玲さん・木村あやかさん

黍田美玲さん(左)、木村あやかさん(右)

――どのようなきっかけで「18っ祭!」の運営に参加したか教えてください。

黍田:学校で先生から「18っ祭!」のイベントを紹介されて、ボランティア活動が楽しそうだなと思って参加しました。木村さんと一緒にマルシェを担当しています。昨年開催された1回目のイベント自体は知りませんでした。

木村:私も学校でイベントの運営メンバーを募集していると知って、マルシェに興味を持ちました。私も前回の「18っ祭!」は知りませんでしたが、コロナ禍の影響もあってイベントというもの自体に去年はあまり積極的に参加していませんでした。

先輩たちがどのような運営をしていたか詳しくはわからないまま、文化祭のような感覚で参加してみたいと思ったのがきっかけです。昨年の運営メンバーから直接お話を聞く機会はありませんでしたが、残された記録を参考に本年度の運営メンバーと相談しながら頑張っています。

――お2人とも生徒会に所属していて、日頃から文化祭や体育祭といった学校行事の運営に携わっていると伺っていますが、「18っ祭!」の運営をしてみていかがですか。

黍田:高校も学年も異なるメンバーが多く集まっているので、同年代の色々な人たちと触れ合えて楽しいです。

木村:最初は、高校が違うことでどうやって仲良くなったらいいか少し心配していましたが、実際に運営がスタートしてみると自分の学校で行事を運営する場合と大きな違いは感じませんでした。

今年度の運営メンバー
出所:18っ祭!公式Instagram(https://www.instagram.com/city_18_hs)

――マルシェ担当としてのこれまでの活動を教えてください。実際に大人とやりとりして苦労した点はありますか。

木村:昨年の出店リストを参考にしながら、自分たちが今年のマルシェに出店していただきたいお店を候補にまとめ、マルシェ担当のメンバーで分担しながら連絡を取りました。私たちは5軒担当しました。

黍田:出店の依頼交渉はダイレクトメールやLINEが中心です。対面や電話で直接お店の方とお話しする機会が少なかったこともあり、苦労したと感じることはありませんでした。実際にお店に出向いてご挨拶するときは緊張しましたが、思っていたより大人の皆さんが優しく接してくれて安心しました。

木村:今年の出店予定はキッチンカーも含め25店舗です。現在ほぼ出店が決定しています。そのうち2店舗で高校生のアイデアを活かしたコラボレーションを検討中です。具体的には、本年度の新しい試みとして「18っ祭!」オリジナルメニューを一緒に開発していただけないか交渉に力を入れています。

――市役所の職員やデロイト トーマツのメンバーと一緒に活動してみてどんな印象を持ちましたか。

木村:皆さん何でも受け入れてくれて、のびのびと活動しています。

黍田:本年度、新しく出店をお願いしたいお店へ打診していただき助かりました。

――マルシェの理想像を教えてください。

木村:老若男女を問わず、様々な来場者で賑やかなイベントになれば嬉しいですね。写真で見ておいしそうだなと思って交渉したラーメン店には思い入れがあります。昨年は行列ができたお店もあったと聞いているので、そうなると嬉しいです。

活動が始まったばかりの頃、土居高校の運営メンバーは私たち2人だけでしたが、友達を誘って今は続々と人数が増えています。

黍田:両親にもイベントに来場してもらえるように話をしていて、家族みんなで楽しめるような雰囲気になるように意識しています。実際に自分が足を運んで味を確かめたお店の出店も決まったので、当日来場者の皆さんがおいしく食べている様子を見るのが待ち遠しいです。

学校の各教室にもイベントのチラシを掲示しています。開催当日は地域の人はもちろん高校生にもたくさん来場してもらいたいですね。

試行錯誤を見守り育てること

進藤 頼厚さん

四国中央市みらい創造室

2002年、旧伊予三島市役所に入庁。ソーシャルワーカーとして福祉分野にて約20年地域福祉に携わる。令和4年度から現在のシティプロモーション推進、DX推進業務に従事。地域共生社会を実現するため、医療福祉の視点からまちづくりに取り組む。

篠永 友洋さん

四国中央市みらい創造室

愛媛県庁におけるG20大臣級会合受入、循環型社会形成、福島県庁における被災企業の支援などを経て市役所に入庁。地方創生を軸に、移住促進、官民連携SDGs推進組織の立ち上げ、市外企業との共創事業の調整を担当。

竹内 優衣さん

四国中央市みらい創造室

2023年4月、四国中央市役所に入庁。電設資材・住宅設備機器などを取り扱う専門商社での営業事務を経て、地元である四国中央市にUターン。現在の部署に配属となり、SDGs推進やカーボンニュートラル推進業務に従事。

――2回目の「18っ祭!」の開催を控えて準備にお忙しいところだと思いますが、イベント運営の定例会や事前準備の様子などに立ち会って、高校生にどのような印象をお持ちですか。

篠永:イベント本番まで1ヵ月となり、高校生同士の関わりの密度がさらに濃くなる手応えを感じています。

進藤:昨年度の運営メンバーは3年生が中心でした。本企画も立ち上げ段階であり、参加者が少数であったため、議論はしやすかった印象です。しかし、本年度は市内の4校から、特に1年生、2年生からの参加者が多いこともあって、全体的な人数も増えた分、試行錯誤を続けているようです。ただ、昨年度の経験から、高校生の力を信頼していますので、基本的に高校生の主体性に任せて見守っている状態です。

――昨年度の準備段階では、どこまで高校生に任せればいいのか見極めが難しいという声も聞かれました。運営の高校生からは「大人たちが何でも受け入れてくれて嬉しい」との感想を伺っていますが、高校生に接するときどのような点に気を付けていますか。

進藤:企画の立案に際して、自分たち高校生だけが楽しむのではなく、来場者の皆さんが楽しめるかどうかといった視点を盛り込むように伝えています。

篠永:企画については、学校生活や日常生活で見聞きしたイベントを「18っ祭!」でも挑戦してみたい、というリクエストがありました。市内でも見かける事例を参考に提案してくれるので、実現可能なものが多かったです。

――高校生の運営メンバーはどのように募集しているのでしょうか。

進藤:現在、約25人の高校生が運営メンバーとして活動しています。市内の高校にイベント開催やメンバー募集の告知をお願いしていますが、実際には高校生同士が誘い合わせて参加者が増えているケースが多いです。

竹内:高校生の口コミのおかげで定例会の度に参加者が増えています。毎回「今回初めて参加しました」と話す高校生がいて嬉しくなります。

メンバー募集方法なども高校生の主体性を尊重
出所:18っ祭!公式Instagram(https://www.instagram.com/city_18_hs)ストーリー投稿

――昨年度と比べたとき、本年度の課題はありますか。

篠永:3年生中心だった昨年度と違って、今回は2年生がメインで運営しているため、学校の試験や行事が重なり高校生が活動しづらい印象があります。

竹内:本年度入庁し「18っ祭!」の担当部署に配属されました。昨年度は一般市民としてInstagramのイベント配信を楽しんでいたので感慨深いです。

高校生だけでイベントをかたちにしていくプロセスは想像以上に大変な様子です。高校生の主体性を尊重しつつ、私たち市職員を中心に大人がサポートしていく姿勢が大切だと感じています。

進藤:高校生が発想するアイデアは非常に多様でしたが、会場キャパシティや予算制約などを考えると断念しなくてはならないものがあったことは非常に残念でした。

ただ、高校生の自由な発想で大人が思いもつかないアイデアがたくさん生まれた現場に立ち会えたことは、昨年に引き続き嬉しい経験でした。

篠永:高校生はもちろんですが、子どもから大人まで様々な人たちが楽しめるイベントにしようということは折に触れて話しています。

――未来のまちを担う若者たちとのコラボレーションで、どのような可能性を感じているかお聞かせください。

竹内:2回目を迎える「18っ祭!」が5年先、10年先も続く素晴らしいイベントになることを願って高校生と関わっています。そんな中、本年度は3年生を中心に高校生が展示のオブジェを制作したいという希望がありました。高校卒業後も、自分たちが制作した展示を見にイベントを訪れてくれると嬉しいですね。そんな次につながる流れが生まれていると感じています。

進藤:高校生が集まる中で、イノベーションが起こってほしいと思っています。市内の高校それぞれにカラーがあって、異なる特色や強みが交わることで大人たちがびっくりするような若者のエネルギーが生まれる未来が理想です。

今の時代、市がボランティアを募集すると、学校や受験で必要なこともあり多くの高校生が参加してくれます。しかし、この「18っ祭!」は高校生の立場でまちの未来を描いていきたいという純粋な思いで成り立っているイベントです。

シティプロモーション、特に高校生主体の「18っ祭!」を通して、『行政の仕事は、まちの未来を変えるイノベーションが誕生する場所や機会の提供に価値がある』との思いを新たにしています。

――イベント当日がますます楽しみになりました。会場の盛り上がりを期待しています。

■18っ祭 TEENAGE EMOTION 開催概要

開催日時:2024年3月10日(日)10:00~15:00
会場: しこちゅ~ホール(四国中央市市民文化ホール)
URL:https://www.city.shikokuchuo.ehime.jp/soshiki/3/39423.html

DTFA Times編集部

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