ヒトメミライ6 里崎慎
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最近、スポーツコンテンツが生み出す非財務的価値を可視化し、多くのステークホルダーにその価値を説明できるツールとして、SROI(Social Return On Investment)分析という手法が注目を集めている。一定の条件の下でこの手法を活用すると、これまで説明の難しかった非財務的価値を量的に可視化することが可能となるからだ。そしてこの手法は、スポーツコンテンツに限らず、多くの企業が取り組むSDGsやESGの活動の成果を可視化するツールとしても応用可能である。▼日本ではスポーツビジネス界が先行して取り組んでいるSROI分析は、リーグやクラブからスポーツをサポートしているパートナー企業に広がり、さらにそこから他のビジネスにも派生していくことで、お金で買えない価値ある活動にも、企業として正面から投資ができる未来に繋がっていく可能性がある。▼足元でも、スポーツコンテンツの生み出す非財務的な価値を可視化する取り組みをきっかけに、企業の投資行動にパラダイムシフトが起これば、世の中にこれまでなかった新たな付加価値が生まれ、さらにスポーツコンテンツの価値が高まるという好循環のサイクルを創り出せる可能性がある。▼スポーツビジネスは興行ビジネスや権利ビジネスと捉えられがちだが、Well-Beingな世界を創り出すソーシャルビジネスと捉えると、そこから生み出される非財務的価値(社会的価値)は非常に大きなものであることが実感できるかと思う。観る、する、支えるという様々なタッチポイントを持つことから、実はあなたの身近にあるスポーツの世界。一度、競技とは違った角度から覗いてみてはいかがだろうか。
(ディレクター 里崎慎)