2024年12月にグループインしたデロイト トーマツ パブリックグッド株式会社(以下、DTPG)は、ソーシャルマーケティングという理念を持ったPRのプロフェッショナルです。事業の社会実装に適したEarned、Owned、Shared(EOS)メディアを活用し、信頼性の高いPR活動を支援します。ここでは、これまでの実績やブランディングアドバイザリーとの協業についてご紹介します。

菅原 賢一

デロイト トーマツ パブリックグッド株式会社
代表取締役

大手PR会社、マーケティング会社を経て2013年に株式会社パブリックグッド創業。インターネット事業全般、食品・ヘルスケア、消費財、家電、サービス業などのコミュニケーション戦略立案を専門とする。

和田 莉奈

デロイト トーマツ パブリックグッド株式会社
アシスタントプロデューサー

化粧品会社の販売部門を経て2021年に株式会社パブリックグッド入社。主に、食品・ヘルスケア・ECサービスなどの商材のPR活動・SNS施策業務を担当する。

EOSメディア」を主戦場とするコミュニケーション支援

DTPG代表の菅原賢一は、2013年にPR専門の企業として株式会社パブリックグッドを創業しました。PR会社の主要な役割は、企業活動について客観的で信頼性の高い情報発信を行うための広報活動の支援を行うことです。DTPGが得意とするのは、EOS(イオス)メディア(メディアの4区分のうち、Earned、Owned、Sharedの3つの頭文字を取ったDTPGによる造語)戦略の立案・実施で、プレスリリースや記者会見によって、メディアなどの記事や報道で取り上げてもらうなどのEarnedメディアを主軸とし、SNSやインフルエンサーを活用したSharedメディア活用など、様々な広報のニーズに対応しています。

クライアントの中心は大手B2C企業です。事業内容はマーケティングコミュニケーション戦略の支援、コンテンツの企画・制作、イベント設営などに拡大しており、現在はパブリシティ以外の事業が売上の7割以上を占めるようになっています。

EOSメディアとは
デロイト トーマツ パブリックグッド株式会社
マーケティングコミュニケーション戦略に用いているフレーム例
デロイト トーマツ パブリックグッド株式会社
フレームワーク例
デロイト トーマツ パブリックグッド株式会社

マーケティング課題の解決を通じた社会課題解決を目指す

菅原は「パブリックグッドという社名には、社会課題の解決に貢献する、ソーシャルマーケティングの会社であるという思いを込めました。マーケティングでは、いかに競合より商品を目立たせるか、価格競争に勝つかという目の前の問題にフォーカスしがちですが、本来企業は、消費者の困りごとを解決し社会の役に立つという理念に基づいて商品を世に送り出しているはずです。経済性と社会性を両立させ、企業価値を向上させるPRを支援したいのです」と語ります。

DTPGの調査では、一般生活者は、企業やブランドの社会課題解決の取り組みに関する情報や企業やブランドのパーパスに関する情報など、企業の社会性の高い情報は、同社が注力するEOSメディア、特にEarnedOwnedメディアを使って情報を収集している傾向が明らかになっています。

マーケティングの課題と社会課題を結び付けた事例の一つとなったのが、国内大手ECサイト運営会社に提案した、ポストに投函できるお歳暮商品です。クライアントはお歳暮のキャンペーン展開を予定していましたが、マーケティング課題として、儀礼的な贈答の減少とギフトのカジュアル化というトレンド変化によってお歳暮需要は縮小し、メディアの報道量は下がっていました。そのような中でパブリックグッド(当時)が注目したのは、宅配便の再配達という社会問題でした。ECサイトの利用拡大によって宅配便の取扱量が増える一方で、荷物の1割が再配達となっています。物流業の人材不足を深刻化させる要因の一つとして、世間的な関心も高まっていました。そこで、ポストに投函可能なパッケージでいつでも受け取れるお歳暮商品を企画しました。クライアントと共に販売店に訪問し、コンパクトなパッケージで贈れるお歳暮商品の提案を行いました。この事例は、多くのメディアで取り上げられるという成果を得た上に、日本パブリックリレーションズ協会が優れたPR事例を表彰する日本PRアワードソーシャルグッド部門でブロンズ賞を受賞しました。

デロイト トーマツのブランディングアドバイザリーとのシナジー発揮

コロナ禍を経て、ネット広告の利用拡大とデジタルマーケティングの活用が加速しています。デジタルマーケティングは、CPACost Per Acquisition:顧客獲得単価)、CPOCost Per Order:注文獲得単価)といった指標をKPIとし、これらの指標の改善に向けて短期で高速にPDCAサイクルを回すことが特徴です。菅原は、デジタルマーケティングのROI(投資利益率)の考え方がPRの領域にも適用され、顧客から短期的な効果測定を求められる傾向が強まってきたことに懸念を抱くようになっていたといいます。そのようなタイミングで、デロイト トーマツ グループへのグループインの打診を受けました。

グループインを決断したきっかけの一つになったのは、デロイト トーマツが姫路城の社会的価値が1.8兆円であると発表した調査結果でした。菅原は、グループインの動機と今後の展望について、「デジタルマーケティングの手法とは全く異なる価値測定ができることに興味を持ちました。デロイト トーマツが、クライアントの経営層にアプローチし、中長期視点でブランド価値向上に向けた投資のアドバイザリーを行っていることにも新たな可能性を感じています。ソーシャルマーケティングという創業からの理念にも合致します。また、デロイト トーマツは女性リーダーの育成や輩出を支援するプロジェクト『Toget-HER』など社会的に意義のある自社事業を行っているので、その情報発信に参画したいとも考えています」と語りました。グループイン後の実感を聞くと、「創業以来オフィスを渋谷に置いていましたが、デロイト トーマツ グループの拠点である丸の内に移転しました。雑多な活気のある渋谷と、落ち着いて整然とした丸の内とのギャップは感じています」と付け加えました。

デロイト トーマツは、戦略的価値のある資産としてのブランド構築を支援するサービスを提供しています。PR経験の豊富なDTPGによって、ブランド戦略に基づくPR施策実行と信頼性の高いブランド価値の発信まで、サービスの幅を広げていきます。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
DTFAインスティテュート

小林 明子 / Kobayashi Akiko

マネジャー

IT事業会社を経て、調査会社の主席研究員として15年以上IT市場及びデジタル技術の調査研究・分析に従事する。専門領域は、エンタープライズアプリケーション、自治体・公共向けIT・スマートシティ、先端テクノロジー・イノベーションなど。2023年8月にデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社し、DTFAインスティテュートに参画。