目次
間もなく、2025年。21世紀の第一クオーターの最終年だ。この第一クオーターは、地政学リスクや戦争勃発、地球温暖化や自然災害、社会保障費の高騰など明るくない話題が多かった。一方、明るい話題としては、インターネットの普及やAI含めたデジタル技術が、社会を良い方向に変えつつあることだ。日本でこの変化を担っていく若者は、2002年に始まった「ゆとり教育」世代である。▼「ゆとり教育」は学力低下を懸念する声が大きかったが、最近になって、この世代が随所で活躍しているという論考がみられる。大谷選手や羽生選手、藤井棋士などは、皆ゆとり世代である。また最近、この世代の中で起業する人が増えているという。「ゆとり教育」では、分野横断的な学習が志向され、アクティブラーニングという自ら探求する学習スタイルが取り入れられた。その結果、課題設定力や協業スキル、プレゼン力、社会課題への関心が高い世代を生んだ。この世代に共通しているのは、グローバルな視点を持ち、物おじせず、自分の意見を持ちつつも他者に優しく、社会課題に関心が高い人物像ではないか。最近では、長らく低下傾向にあった海外留学者数も上昇に転じつつある。上昇に転じたのは2017年でまさにゆとり世代が大学生にあたる時期だ。グローバルでミレニアル世代・Z世代と呼ばれる世代とも共通項が多い。▼この世代が社会・経済を牽引していく第二クオーターの始まりまであと一年。そうした志を持った若者をしっかりと支援できるよう、気を引き締めて新年を迎えたい(パートナー 西村行功)