夜明け会議2025 レポート

未来は、待つものではなく、創るものだ。デロイト トーマツ主宰のもとで発足した「夜明け会議」は、そんな意志から始まった、未来洞察と社会実装の取り組みです。学生から社会人まで、多様なメンバーが集い、それぞれの知見や意見を持ち寄りながら議論を重ねます。想定するのは「2040年の未来」。社会の担い手が、次の世代へとバトンタッチされるこの時期に焦点を当てることで、世代を超えた参加者が、未来を自分ごととして描けるようにするのが狙いです。初年度となる2025年は「食卓」「健康」「旅行」をテーマに設定。シナリオ・プランニング®※の手法を用いながら、約8カ月にわたるプログラムを実施しました。15社・15大学から、150名の社会人と110名の学生が参加し、集大成となるフォーラム「夜明け会議2025」の開催に向けて、走り切りました。

夜明け会議

01

CHALLENGE

社会の一員として「欲しい未来」を描く

未来洞察は、テーマの設定から始まります。今の私たちにとって当たり前の生活基盤が、10年後、20年後も続いているとは限りません。そんな視点から初年度となる2025年に選んだテーマは「食卓」「健康」「旅行」の3つです。食卓であれば、代替食品の普及や輸入価格の上昇。健康であれば、データによるパーソナライゼーションや人口構造の変化。旅行であればバーチャル体験の普及や観光需要の一極集中など、いずれもテクノロジーの進化やマクロ環境の変化を大きく受ける分野です。暮らしに密着したテーマだからこそ「幸せとは何か」「人間らしく生きるとはどういうことか」といった問いにも向き合うことができます。事業者としてだけではなく、ひとりの生活者としての視点も重ねながら、自分たちの意志を反映した未来像を描くことが、次のアクションのモチベーションにつながります。

02

IDEA

空間と情報の共有で目線を揃える

実りある議論を行うには、環境づくりが鍵になる。私たちはそう考え、議論のプロセスにいくつもの工夫を施しました。そのひとつが、オリジナルの資料集「トレンドブック」です。データやファクト、そこから読み取れる傾向をテーマごとに編纂し、それぞれ約150のトレンドとして整理。議論の拠り所となる土台を用意しました。個人や小規模グループでのリサーチや考察では、取り組む課題の背景や可能性への理解を深めるために。グループディスカッションの場では、目線をそろえるための共通言語として。トレンドブックは、場面に応じて異なる役割を果たしました。

さらに重要だったのが、多様なメンバーによるディスカッションの場づくりです。共通のバックグラウンドを持つメンバーが、高い専門性を軸に議論を重ねるのが未来洞察の主流だとすれば、夜明け会議のアプローチはその対極にあります。学生とベテランの社会人、異業種のプロフェッショナルが一つのグループを組み、視点を持ち寄りながら対話を重ねていきました。検討ステップの4段階目に行われたワークショップでは、メンバーが一堂に会し、丸一日をかけた議論を実施。濃密な対話の中で、普段は交わりにくい視点がぶつかり合い、そこから新しいシナリオの輪郭が立ち上がっていきました。

03

SOLUTION

理想の未来を、動き出せるアクションへ

夜明け会議の目的は、描いた未来像を机上の議論で終わらせず、さまざまな事業のプレイヤーを巻き込みながら、具体的な変化につなげることです。約8カ月のプログラムの集大成として、約300名規模のフォーラム「夜明け会議2025」を開催。大手飲食チェーンや食品、保険、航空、鉄道、エネルギー、デベロッパーなど、私たちの暮らしを形づくる応援企業を招き、望ましい未来の姿を共に描きました。特に、日本を代表する企業の経営者と現役学生によるオープンディスカッションでは、理想の社会の姿と事業のリアリティという両極の視点から率直な意見交換がなされました。

披露されたシナリオは、世の中の価値観の転換を示唆するものです。たとえば、食卓を栄養補給の場ではなく、つながりを生み出す場として捉え直すこと。健康を、一律の正解に従うものではなく、個々の価値観に寄り添うものへと広げていくこと。旅行を、一極集中型の観光から、多極的で地域に根ざした体験へと移していくこと。いずれも、事業としての持続可能性と、生活者としての視点の交点を示したアイデアです。

さらには、アクションの実現性を高めるための方策を提案。新しい生活様式を軸にした「食・健康のNEW NORMAL 2040」と、若者支援を軸とした「学生向け“旅”のソーシャルインパクトファンド」という2つの施策方針を取りまとめ、社会実装へのアクセルを踏んでいきます。また、第2回となる「夜明け会議2026」では新たに「教育」「地域生活」「職業・キャリア」というテーマを設定し、新たな未来の創り手たちを後押ししていきます。

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