Community Vision Design
四国中央市 | Jan. 2024
2022年度から、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは愛媛県四国中央市と連携し、シティプロモーションプロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、若者の市外流出や地域産業の活性化といった、地域が抱える課題に取り組むものです。地域住民の声を丁寧に反映しながら、施策の企画・実行を支援することで、若者たちにとって「また戻りたい」と思える魅力ある地域づくりを目指しています。
CHALLENGE
地域がひとつになる難しさ
四国中央市では、進学や就職を機に若者が市外へ流出する傾向が強く、その背景には市内に大学がないことが一因として挙げられます。この若者の流出により、地域の将来を担う世代が定着しづらくなり、地域経済やコミュニティの活力低下が大きな課題となっています。さらに、若者と高齢者、移住者と地元住民、新興産業と伝統産業といった多様な価値観や立場の違いが存在し、地域全体が一体となって未来のビジョンを共有し描くことが難しい状況にあります。
IDEA
まちの未来像を可視化する
私たちは、地域の未来を一方的に「示す」のではなく、地域住民が主体的に関わりながら、理想のまちの姿を共に描き、形にしていくプロセスが重要だと考えました。その一環として、まちの未来像を可視化する「Vision Map」の作成に取り組みました。この取り組みでは、住民同士が自分たちの言葉でまちの理想像を語り合うワークショップを重ね、そこで生まれたキーワードやイメージをもとに、アーティストと連携してビジュアル化を行いました。
SOLUTION
若い力がつないだ四国中央市の未来
高校生をはじめとする若い世代が、まちへの愛着を深め、未来への関心を高めたことで、「大学卒業後、四国中央市に戻ってきたい」という声が聞かれるようになりました。四国中央市は持続可能なまちづくりへの第一歩を踏み出したのです。さらに、2023年には市誕生18周年と新成人「18歳」にちなんだ、高校生が主役となるイベント「18っ祭!」を開催。イベントでは、Vision Mapで描いた未来像を広く発信し、多くの市民や地域外の関係者との交流を生む場となりました。今後も、こうした若者たちの想いをまちの可能性として捉え、さらに持続可能なまちづくりを推進していきます。