日本全体で進行中の人口減少・少子化に対応して地域の発展を図るためには、俯瞰的な「人材の育成」と「人材のシェア」の観点を持って地域づくりを進める必要がある。

域外の大学へ進学することで人材成長の可能性が広がる。地域は越境進学する人と継続的な関係を構築することで資産が増え、域外から進学してくる人は地域に新たな価値をもたらす。外部の学生や人材とのつながりは、地域の多様性や創造力の向上に寄与する。優れた人材を特定の地域で抱え込むより複数の地域で共有する方が当人の経験値も高まり、関わる地域が多いほど日本全体の活力の底上げが具現化し得るためである。

 

このような考えのもと、本稿は大学入学時における人材流動・越境進学の状況などを理解するための基礎資料として、都道府県単位で各種情報を整理・図解した。

 

地域や大学に関しては昨今、暗くなりがちな情報ばかりが目につく。しかし、本稿が前向きな議論の材料となり、学生への新たな教育機会の提供、地域間での知識や文化の交流促進、グローバル人材の輩出、そして定住人口だけにこだわらない地域づくり推進などへ展開していくことに期待したい。

 

【レポート全文】

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中村 圭介 / Keisuke Nakamura

研究員

都市計画コンサルタントとしてキャリアをスタートさせ、その後シンクタンク系ファームにおいて、土地利用、施設活用、商業・観光・中小企業・農業等の地域産業振興、中山間地域の活性化、シティプロモーション、国土・広域圏政策などに係るリサーチ・コンサルティング業務に従事。2023年4月にデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に入社し、DTFAインスティテュートに参画。


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