成長追究シンクタンク「DTFAインスティテュート」が始動します
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、代表執行役社長:福島和宏、略称:DTFA)は2022年10月、企業の成長と社会の発展を目指すシンクタンク「DTFAインスティテュート」(DTFA Institute)を新設します。
DTFAインスティテュートは、M&A(企業の合併・買収)への助言などによって日本の企業・産業の成長と再生を支援しているDTFAを母体に始動します。DTFAが掲げるコーポレートスローガン「日本のビジネスを強く、世界へ」に則り、日本の成長に資する調査・分析・研究・発信を行うほか、産・政・官・学のトップリーダーとの議論を重ねることによって先行き不透明な時代における新たな成長のカタチを活写し、提言等を行います。
背景には、昨今の世界情勢が不確実性に満ち溢れ、未来を見通すことが非常に難しくなっていることがあります。
ここ数年、企業経営者や政策立案者は、グローバル資本主義のマイナス面の顕在化とのその修正論、SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)など環境経営へのシフト、米中貿易摩擦の激化による新経済秩序への適応、パンデミックへの緊急対応と「ポストコロナ」に向けた事業変革――など、様々な難題に懸命に取り組んできました。
さらに2022年に入ると、世界の軍事的緊張が一気に高まりました。日本にも物価高の大波が押し寄せ、経済安全保障という新たな課題も突き付けられました。企業経営者は、目の前にある短期的課題に対処すると同時に、予見困難な未来に備えて守りを固めるという、短期・長期両睨みの舵取りを迫られているのです。
このような激動の経営環境においても、企業経営者は「成長」の2文字を追求していく責を負っています。そして、このような不透明な社会環境においても、政策立案者や為政者は「より良い社会」を追求していく任を負っています。DTFAインスティテュートは、困難に立ち向かうリーダーたちと共に考え、共に創り、共に道を拓くシンクタンクでありたいと思っています。
環境が変われば戦略も変わります。私たちが蓄積してきた経営論、組織論、リーダーシップ論も、私たちが最も得意とするM&A・クライシスマネジメント・イノベーションの技法にも進化が求められています。サイバーセキュリティやデジタル・トランスフォーメーションへの対応は待ったなしです。チャレンジ・スピリッツを醸成し、ベンチャーを育て、この日本にもっとイノベーションを起こしていかなければなりません。
今日の勝因が明日の敗因となってしまうような激動の時代だからこそ、まずはあるべき未来の姿を大きく構想するワンステップを経営プロセスに付け加えるべきだと私は思います。長期戦略を練り込んで、変化をできる限り「想定内」に収め込む。万が一、想定外の変化が起こってもダメージを最小限に抑え込むレジリエンス(柔軟性・回復力)を担保する。今こそ、経営の精度を一段も二段も上げていくべき時です。
こうした問題意識の下、DTFAインスティテュートは様々な知見を結集し、より良い未来への提言を発信するとともに、様々なステークホルダーとの協働・共創を促す触媒としての役割を果たしていきたいと考えています。
皆さま、どうぞ、よろしくお願いいたします。
DTFAインスティテュート 所長 兼 主席研究員
前田 善宏