COVID-19によるリモートワークなどの生活環境の変化や先行きの見えない不安などから、精神的なストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか。そのようなストレスが体に与える影響は大きく、症状の1つとして不眠を訴える人が増えています。「コロナ不眠」とも呼ばれているこの症状は、日中のパフォーマンス低下につながる深刻な問題です。本連載では、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA)が社会活動として取り組んでいる睡眠診断運動について、全3回でご紹介いたします。第1回は、「年に1度の睡眠診断運動」の目的と概要をご説明いたします。

コロナ禍における健康経営の変化は?

日本では各企業が従前より、従業員の健康増進を重視し、様々な方法で健康経営の推進に取り組んでいます。
経営戦略として従業員への健康投資を実践し、活力増進や生産性向上を目指すことは経済産業省も着目しており、2017年には「健康経営優良法人認定制度」も開始されました。
そのような状況の中、コロナ禍に突入し、突然の環境の変化に適応を求められた今、仕事への姿勢や負荷、パフォーマンスも少なからず変化が生じています。
一方、リモートワークが推進されたことにより、企業が従業員の心身の状況を把握しにくいという課題も見えてきました。
そのため、従前のワークスタイルを前提とした健康経営の在り方を、新しいワークスタイルに合わせて見直す必要があるのではないかと考えています。

なぜ睡眠なのか?

そこで、健康経営の中でも睡眠の重要性に着目し、デジタル技術を駆使した睡眠の質向上に取り組み始めました。
心身の疲労を回復するために、睡眠が重要な役割を果たしていることは明らかであり、睡眠の注目度は日々高まっています。
特に近年ではCOVID-19による運動不足やリモートワークなどの生活環境の変化、先行きの見えない不安などから精神的なストレスを少なからず受けており、「コロナ不眠」という言葉が飛び交うほど大きな社会現象となっています。
そのため、睡眠の質を把握し、改善することが心身の健康および仕事のパフォーマンス向上にもつながると考えられます。

より良い睡眠をとるためにできることは?

一方で、睡眠は業務時間外の完全にプライベートな時間であるため、睡眠時間の報告を求めるなど、企業の関与がためらわれる領域です。
従業員がしっかりと「質の高い睡眠」を取るための支援を、健康診断やストレスチェックのように簡単に実施できる方法があると、企業・従業員の双方にとって取り組みやすいのではと考えました。
そこで、「睡眠」により健康増進を図ることを目的に、まず自分の睡眠を意識するきっかけづくりとして「年に1度の睡眠診断」に取り組むことを提案しようと考えました。
さらに、これら睡眠の質を改善するという社会課題の解決には、各企業が独自で取り組めることには限界があるため、社会活動として多くの企業さまと一緒に取り組み、多くの従業員の皆さまの睡眠を改善していくことが重要と考えています。
デジタル技術を活用して可視化した睡眠行動を、社会活動体として分析・改善方法を模索していく、このような取り組みに賛同いただける企業さまと共に睡眠診断運動を広めていきたいと考えています。

具体的に何をするのか?

近年、睡眠の測定には種々のデバイスが活用されておりますが、より多くの方に、簡単にご参加いただくことを目的にしているため、スマートフォン(スマホ)にインストールした睡眠測定アプリを用い、睡眠の状態を計測することを想定しています。
寝る前に枕元にスマホを置き、計測を開始することで、就寝時間や睡眠の質を計測します。
翌朝、計測結果をスマホ内で確認できると共に、従業員の皆さまの分析結果をまとめたレポートにて、参加者の平均との比較や自分の睡眠の特徴を客観的に認識できるようにすることを想定しています。

健康診断と同様に年に1度、1週間程度の測定を通して、自分の睡眠の状態を認識し、意識してもらうきっかけとしていただきたいと考えています。
ご参加いただいた企業さまにとっては、従業員の皆さまの睡眠の状態を把握することで、健康経営の推進につながるとともに、分析結果をまとめたレポートにて企業全体の睡眠の特徴や傾向を認識することが可能となります。

今後の活動予定は?

現在、テスト運用を行っており、すでに多くの企業さまにご参加いただいております。
今後はテスト運用の結果をレポートとして取りまとめ、HPやプレスリリースなどで発表すると共に、アプリの開発を進めていく予定です。
また、2022年にはアプリによるサービス提供を開始し、より多くの企業さま・従業員の皆さまに本運動に参加していただけるよう準備を進めております。
ご関心のある方は是非ご連絡いただければ幸いです!

次回は、DTFAが参画する年に1度の睡眠診断運動に取り組んでいる担当者が、この運動にかける思いを語る対談をご紹介します。